笛吹き朗人のブログ

器楽は苦手でしたがサラリーマンを終えた65歳から篠笛を習っています。篠笛を中心に日々のリタイア生活を紹介します。

「脱原子力社会へ」を読むー2

2013-03-26 00:06:07 | 日記
原子力の問題はエネルギー問題

この本では、「なぜ、原子力発電は止まらないのか」の章で、札束と権力で原子力発電所を作ってきたことを検証し、

「グリーン化は21世紀の合言葉」の章で、21世紀には原子力でもなく、CO2問題のある炭素燃料でもないエネルギーを考えるべきことが提唱され、

「地域からの新しい声」の章で、再生可能エネルギーの普及には地域住民取り組みが必要であることを述べ、

「脱原子力社会に向けて」の章で、脱原子力には政治の民主化が必要であること、ドイツにおける緑の党の進出と脱原子力の関係、そして節電の重要性などエネルギー政策と我々の生活の変革の両方を求めている。

この本を読んで、私は、原発問題の究極問題は「エネルギー問題」であると思うようになった。

次に、この本を読んだ機会に考えたことを紹介します。

ア)事故対策に埋没させてはいけない

原発問題の緊急の課題としては「発生してしまった原発事故対策」(住民をどうするか?、廃炉をどう進めるか?、高濃度汚染水・汚染ゴミをどうするか?)を徹底してやることは必要なことである。

しかし、原発問題で考えなくてはいけないのは、それ以上に「使用済み核燃料問題」であると思う。

原発問題を事故対策に埋没させてはならない。

また、今回の原因が何処にあったのかの追求については、様々な事故調のその場しのぎ(民主党政権が自分たちの政権のある間に何とか恰好をつけなくては、と考えたのかな?)の追求ではなく、とことん突き止めるべきである。

極東軍事裁判が東西冷戦によってあいまいな結末を迎えたことにより、戦争についての明確な責任構造や責任者を突き止めないままだったと同じようになりはしないか?

日本の責任追及は、いつも尻切れトンボだ。(トカゲのしっぽすら切らない)

3月10日のNHK特集では、政府事故調の有志が「官僚体制に問題有りと思ったが、時間的にそこまで追求できなかった」といっていたが、様々な大事故は官僚機構の中にある無責任体質(庇い合い、事なかれ)によっていることが多いので、もし、本当に官僚機構まで追求できたら、今後の様々な事故の再発防止効果は大だとおもう。

原発問題は、究極問題は「エネルギー問題」である。落ち葉や木炭という自然エネルギー源から、石炭・石油という化石エネルギー源に代わったが、いまや次のエネルギー源を必要としている。

もともと、原子力は「つなぎのエネルギー源」と考えられていたが、「トイレなきマンション」と言われている「使用済み核燃料問題」があり、今回の原発事故により少なくとも日本ではつなぎとしての役割も疑問視されてきている。

3.11の総理会見では、NHK記者の質問に対し「使用済み核燃料問題については、処分地を住民の意見も聞いて慎重に選ぶ」と答えているが、これは、まったく展望がないままの口から出まかせ(NHK記者の質問は提灯持ち)でなければいいが。
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