みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

ギリシャ神話と古事記( Ⅱ )

2018年09月14日 | 俳句日記


昨日に引き続き、ギリシャ神話と古事記
の比較をして行きます。
登場する神々は、ギリシャの方が圧倒的
に多く、哲学的な概念まで神とします。

例えば、愛.死.運命.睡眠.夢.記憶.報い。
更に、青春.結婚.法.知恵.破壊.等、凡そ
自然現象の擬人化だけでなく、人の内面
的な観念にまで神が介在しています。

加えて、怪物や獣神、精霊も名前の付く
神ですし、神と交合する人の名の特定ま
でして神の系譜を綴っていきます。
ですので当然数が凄い事になります。

「古事記」の神々は、高天ヶ原や黄泉の
国と言う設定が無ければ、皆、昔そこに
居た先祖の様に振舞われます。
怪物と言えば「八岐大蛇」ぐらいです。


そして、その神々達が今に通じる常識的
な感情と発想で事を行います。
ですので、他の神話より真実に近い古代
史の一部として探究されるのです。

私は、「古事記」の時代背景を弥生時代
の末期から雄略天皇までの、我が国の国
体の成り立ちを示した歴史絵巻だと素直
に読んでいます。

即ち、血縁集団であった部族が狩猟採集
から農耕社会へ移行する過程で更に集合
し「クニ」と言う運命共同体を作った。
そこに大陸人の敵対的渡来が始まった。

それに対する縄文人の防衛戦争が、国家
の形成を促したのだと思います。
その時の暗黙の了解が古神道だった。
従って強大な神権国家が成ったのです。


謂わば縄文人が一万年の間、天地と会話
しながら温めて来た「野生の思考」を基
とする「神ながらの道」が勝利した。
つまり、この時が来寇阻止の始めです。

以来、刀伊の入寇.元寇.明治維新.大東亜
戦争と日本人は国を守って来たのです。
73年前に負けた!と言う意見が有りますが、国体も暗黙知も昔のままです。

そこの処に、レヴィ=ストロース博士は
唖然として目を見開きました。
そして「月の裏側-日本文化への視角」を
書いたのです。

ギリシャ文化圏に生まれ、西洋哲学に
限界を感じて未開の地を探究して来た
博士が日本で見たものは、月の裏側と
でも表現したくなる国の有様でした。

だから日本に、西洋文明が行き詰まりつ
つある今日、世界の平和と秩序を開く役
割を期持されていたのです。
それはまた、世界の知識人の期待です。


明日は、天武天皇が「古事記」の編纂を
命じるにあたり、忖度をされた事柄と、
ギリシャ神話に隠された西洋文明の危機
について書いてみます。

9月14日〔金〕曇りのち少雨
いよいよ沖縄知事選挙が始まった。
随分前に「沖縄選は沖縄戦」と書いた。
私は、歴史書を読むときには、
地図を用意して縦にしたり横にしたり
して、国の動きや軍の動きを想像する。

こないだ極東地図を西を上にして、
太平洋を下にして眺めてみた。
大陸側から日本を観た地図より更に
危機感を覚えた。

読者の皆様もやってみるといい。
北海道と沖縄は、まさに最前線である。
こんなことも分からない国会議員は、
すぐさまバッチを外して下さい。

〈日の出ずる 国の命よ 秋に問ふ〉放浪子
季語・秋に問ふ(秋)











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