子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

育鵬社公民157ページの写真も「無断掲載」だった!こんなひどい教科書の採択を許すことはできません!

2020-08-15 15:45:31 | 2020年度中学校教科書採択(大阪)
育鵬社公民教科書の157ページの「無料学習塾」の写真も「無断掲載」だったことはお知らせしましたが、当事者の方からメッセージをいただきましたので、それを資料として付けた泉佐野市、東大阪市、大阪市への「追加要望書(その3)」を作成しました。すでに泉佐野市と東大阪市には14日にFAXで送付しました。大阪市には15日に送付します。

ぜひ、これを拡散し、3市には「育鵬社を採択するな!」の声を届けてください。下に宛先と大阪市教育委員会への「追加要望書(その3)」を貼り付けます。

<要望先>


■泉佐野市教委

(採択会議は8月18日)
〒598-8550 大阪府泉佐野市市場東1丁目295番地の3 泉佐野市役所3F 泉佐野市教育委員会学校教育課

電話:072-463-1212(内線2331~2335)
FAX:072-469-5267

■東大阪市教委

(採択会議は8月24日)
〒577-8521 東大阪市荒本北1丁目1番1号 東大阪市役所17階
  東大阪市教育委員会 教育長・土屋宝土 様
電話:06-4309-3000(市役所代表)
FAX: 06-4309-3837(教育委員会)

■大阪市教育委員会 指導部 初等・中学校教育担当

(採択会議は8月25日)
〒530-8201  
 大阪市北区中之島1-3-20
 電話 :06-6208-9186
 FAX:06-6202-7055

**********************************************

大阪市教育委員会 教育長 山本晋次 様
            教育委員の皆様                   
2020年8月14日
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

2021年度使用中学校教科書採択についての追加要望書(その3)

新型コロナによる厳しい状況が続いておりますが、貴教育委員会の教科書採択業務へのご尽力に敬意を表します。
いうまでもなく教科書は主たる教材であり、子どもたちが平和で民主的な社会の形成者として健やかに育つことに役立つ教科書が、公正で公平な手続きを経て採択されるよう、私たちは強く願っております。
しかるに現在、大阪市が採択している育鵬社の歴史・公民教科書は記述に非常に大きな問題があります。すでに私たちは「育鵬社教科書は採択しないでほしい」という要望書を、理由も含めて三度提出してきましたが、さらに新たな問題点が明らかになりましたので、緊急ではありますが、以下理由を説明し「要望書」を追加いたします。
すべての教育委員の方にお読みいただき、正しい教科書採択をおこなっていただきますよう、切にお願い申し上げます。

(1)育鵬社公民教科書157ページのコラムの写真も「無断掲載」でした。

こんな最低限のルールも守れない教科書は絶対に採択しないでください。

 私たちはすでに「追加要望書(その2)」の中で、157ページのコラムの写真に書かれている「愛知県守山市」という地名は存在しないことを指摘しましたが、このほど、この写真の当事者であるAtlasの代表理事の日野貴博さんから、私たち「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会」にメッセージが届きました(当事者からの声参照)。
 それによると、このコラムの写真は「滋賀県守山市」で子どもと若者との活動をしている団体の写真であり、「許可なく掲載された」こと、「コラムの内容自体にも賛同することができない」ので、「当然、写真掲載は許可できない」とのことです。
 育鵬社教科書には他にも当時者の了解なく、「無断掲載」された写真があります。「個人の肖像権の保護」をまったく考慮しないこのような行為は断じて許されず、単なる“ミス”では済まされません。SNSなどで個人情報が流出している現状を「人権侵害」と教える公民教科書で、こんな問題を起こすなどあってはならないことです。
 この写真はもともと朝日新聞に掲載されたものですが、教科書に掲載するには、朝日新聞だけでなく、写っている当事者の「了解」が必要です。ところが育鵬社は当事者の「許可」を得るための「手続き」は一切せず、安易に写真を載せたのです。教科書を作成するには「内容」「手続き」ともに厳密な編集が必要とされますが、育鵬社は基本的な「手続き」を怠り、問題を続出させています。こんな杜撰な出版社の教科書は、そもそも採択の対象たりえません。“問題外”として、はじめから省くべき教科書です。

(2)157ページのコラムは内容上も、たいへん大きな問題があります。

①子どもを傷つけ、「差別」や「いじめ」を誘発します。

 現在、全国で多くの「子ども食堂」や「無料学習塾」が運営されていますが、育鵬社公民教科書は「子ども食堂」や「無料学習塾」を貧困な子どもの行く場所と決めつけています。
 「子ども食堂」を運営している市民たちは、必要としている子どもたちが参加しやすいように、「どの子も来てよい食堂」にし、さらに地域住民も参加して「みんなで楽しくご飯を食べる場所」、さらには「学習支援もする場所」にしてきました。その結果、地域の交流が活発になり、近所の子どもたちの見守りも進んでいるといわれます。
 ところが育鵬社公民教科書は、そんな市民たちの努力をぶち壊します。「子ども食堂」や「無料学習塾」は「貧困な子どもが行く所」というイメージが作られれば、本当に必要とする子どもたちは行きにくくなります。また周りの子どもたちには偏見が生まれ、「差別」や「いじめ」につながる可能性があります。

②「ひとり親家庭」への偏見を助長します。

 このコラムには「特にひとり親の家庭は経済的に余裕のない状況にあります」という記述もあります。これも「ひとり親家庭」を「貧困」と決めつけています。
たとえ「経済的に余裕のない状況」にあったとしても、子どもには子どものプライドがあります。「家庭のことには触れてほしくないと思っている思春期の子どもの傷ついた心に塩を塗るような、こんな教科書は絶対に許せない」と、「こども食堂」に関わっている市民は強く抗議しています。

③このコラムは教員も困らせます。

 教室には「子ども食堂」に行っている子どもも、「ひとり親家庭」の子どももいます。いろいろな事情を抱えた子どもたちが「差別」や「いじめ」を受けないように、日々心配りをしている教員たちは、この教科書を与えられてどんな授業をすればいいのでしょうか。
子どもたちの中には「貧しい」ことや「ひとり親」であることに何の引け目も感じず、堂々としている子もいるでしょう。また何の偏見も持たない子もいるでしょう。しかし学校現場での厳しい現実を考えると、教員たちはこのコラムには本当に困ってしまいます。
たいていの子どもたちは、教科書には正しいことが書いてあると思っています。その子どもたちに、教科書どおりに教えられないのが育鵬社公民教科書なのです。

④「子どもの貧困」の根本原因を問わず、地域の助け合いを美化しています。

 今回、育鵬社は「子どもの貧困」を大きく取り上げました。社会的にも大きな問題になっており、「子ども食堂」や「無料学習塾」の役割の大きさがメディアでもたびたび取り上げられています。
 しかし「子ども食堂」や「無料学習塾」が、「子どもの貧困」そのものを解決できるわけではありません。Atlasの日野さんもおっしゃっておられるように、「子どもの貧困」の背後には「親の貧困」があり、本来は「公が果たすべき役割が大きい」にもかかわらず、育鵬社公民教科書はそこを問いません。不安定な「非正規雇用」の拡大、「新自由主義経済」による格差拡大を進めた「アベノミクス」については目を向けさせず、地域の助け合いが問題解決のカギであるかのように教えるのです。
「自助・共助・公助」という言葉がありますが、「子ども食堂」や「無料学習塾」はこの中の「共助」にあたります。市民たちは「とりあえず目の前の子どもの現実を何とかしなければ」と取り組んできましたが、資金的にも人的にも限界があるのは目に見えています。そのため「公的支援」を求め、自治体や国からの支援が得られる地域も増えていますが、さらに国として保護者の雇用安定や社会保障の充実が求められます。
「先進国」といわれるこの日本で、食事も満足に与えられない子どもがいるとはどういうことか、「奨学金」とは名ばかりで「学生ローン」を組まされ、何百万円もの借金を抱えて社会人生活をスタートさせねばならない若者が大勢いるのはなぜなのか、国民の「基本的人権」は本当に大切にされているのか、そうした切実な問題に目を向ける公民教科書が必要です。育鵬社公民教科書は、それとは真逆の教科書です。

(3)教育委員会が「人権侵害」に加担することは、断じて許されません!

 大阪市教育委員会はこの5年間、子どもと教員に育鵬社教科書を押しつけてきました。「人権・平和・共生」という民主主義社会のもっとも大切な価値を教える教科書を採択してほしいという市民の声を無視し、2015年、フジ住宅による市民アンケートの水増しという不正をも活用し、無理やり育鵬社教科書を採択したのです。
教科書は誰のためにあるのでしょうか。教育委員会みずからが、子どもを傷つけることに加担することは、断じて許されません。育鵬社教科書は絶対に採択しないでください。

* 育鵬社は指摘された箇所を、来年、生徒に配布する供給本では訂正してくるかもしれません。しかし文科省は、2020年5月21日付の「令和3年度使用教科書の採択に係る留意事項について」で、教科書発行者から送付された「教科書見本」を基に採択するように通達しています。したがって、育鵬社が今後どのような対応をするかにかかわらず、現在提供されている見本本を基に、厳正に採択されるように要望いたします。

■当事者からの声


<一般社団法人Atlasの日野貴博さんからいただいたメッセージ>

子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会のみなさまへ

こんにちは。一般社団法人Atlasの日野と申します。Atlasは滋賀県守山市で子ども若者との活動をしている団体でして、その活動の一つに、生活困窮家庭の子どもたちへの支援活動があります(生活困窮者自立支援制度における『子どもの学習・生活事業』を守山市から受託して実施しています。 参考:https://minna-tunagaru.jp/know/kids/

この度は情報発信くださり、ありがとうございました。みなさまのご発信によって、私たちの活動写真が当法人に許可なく無断転載されていることが分かりました。当該写真は朝日新聞記者の取材で撮影され、2012年5月5日大阪本社版(生活面)にて紙面掲載されたものです(当時は生活困窮者自立支援制度の施行前であり、『生活保護世帯の自立支援プログラム』の一環として、行政直営事業に、法人化する前の弊団体がボランティアで運営協力する形で実施していました。)

現在写真の出どころを確認していますが、自治体名を誤っている以上、守山市や朝日新聞社にも掲載許可をとったとは考えにくいと思っております。また、守山市や朝日新聞社に掲載許可をとっていたとしても、当法人に許可なく掲載されたことは、誠に遺憾なことと考えております。

また、このコラム内容自体にも賛同することができません。「子どもの貧困」とは本来「親の貧困」であり、公が果たすべき役割が大きいものと考えております(労働・雇用施策、社会保障施策等。)にもかかわらず本コラムには、「民間団体によって…」や文末の「私たちは…(中略)…考えていかなければなりません。」という記載もある通り、「子どもの貧困」対策はあたかも民の努力(=責任)によって行われるべきものであるかのような書かれ方をしていると感じます。事実としてこの業界やこれらの対策・支援活動は、民が主導して制度化・施策化(=公の責任化、社会化)につなげてきた歴史がありますが、本コラムはその流れに逆行する記載であり、公が責任を放棄し民に再度責任を転嫁していくこと(=再民営化)を助長する内容になっていると感じますし、そうなることをとても危惧しています。

あわせて、少なくとも上述の通り私たちの本活動は、委託事業の性質から見ても、「公の責任である事業を代わりに当法人(民間団体)が請け負っている」というものであり(ましてやこの写真の当時は行政直営事業でしたので、ストレートに公の事業でした、)このコラムの文脈には決して馴染まないものと感じております。

これらの記載は、公が果たすべき「親の貧困」課題を「子どもの貧困」というスローガンに矮小化し、公が果たすべき役割を民の責任(=自助、共助努力)にしていく流れを助長する内容になっており、全くもって賛同できないですし、教科書に載せるべき内容ではないと感じています。そして当然、写真掲載は許可できません。当法人でも今後の動きを協議しているところですが、解決に向けて、引き続きお力添えいただけたら幸甚に思います。

2020年8月12日
一般社団法人Atlas(アトラス)
代表理事 日野貴博

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