tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

午後にはシネマとお茶を

2007-05-20 19:59:41 | herb, plant

長い歴史を通して、 "不老長寿のハーブ" と言われてきたセージ。中国、ペルシア、ヨーロッパには「庭にセージを植えれば、老いることなし」ということわざまであるらしい。このセージの刺激のある強い匂いは、好き嫌いが分かれるところだ。精油の量は全草に対して1~2.8 %で、精油の主成分はツヨン(thujone)52.5%、シネオール(cineol)7.8%,ボルネオール6.5%、カリオフィレン4.7%,カンファー、リナロール、ピネン、チモール、レサルペンなど。タンニン、ロスマリン酸、ピクロサルビン、有機酸、フラボノイド、フェノール酸など。このうちツヨンは強力な防腐効果、フェノール酸は抗菌効果をもたらすほか、他のポリフェノール類もアンチ・エイジングすなわち、抗酸化作用の源となっているのだろう。

一般に、植物中に含まれている精油は
①種の保存(受粉など)のための昆虫誘引
②他の植物の排除。生存競争に勝ち残るため。
③気温の変化から我が身を守る。
④自己の傷口の保護、抗菌など。 
などの作用から植物自身が進化の過程で身に付けたものだ。つまり、効果のある精油を多く生成する個体が、過酷な生存競争に打ち勝ってきたのだ。

セージは肉料理と相性がよいために、手作りソーセージの中にみじん切りにして入れたり、葉を乾燥してハーブ・ティーにして飲んだりする。ちょっと高級そうなソーセージには、セージが入っているのでおなじみだろう。それ以外にも、イタリアなどでは、ほうれん草とリコッタチーズ、卵、パルメザンチーズ、小麦粉、ナツメグを混ぜてラビオリにしたものが、セージとバターを加えたトマトソースなどで出てくる。

セージは、現在の主産地のユーゴスラビアや、トルコ、アメリカなど多くの地域で栽培されているが、ユーゴスラビアのダルマチア地方のものが最高品質だ。高温多湿に弱いセージは、日本では今の季節がベストシーズンなのだろう。いろいろなハーブが咲く我が家の庭で、セージは一際目立つ暖かみのある紫色の花を咲かせている。