鳥の巣誘導ネットだけじゃない!鉄塔の動物対策3選

2020-05-28 09:00:10 | 日記
前回の記事で、鉄塔の鳥対策のひとつ「営巣誘導ネット」をお伝えしました。
…が、鉄塔の動物対策ってこれだけじゃないんです。
ということで、今回は営巣誘導ネット以外の動物対策をご紹介します!



その1. 鳥害防止装置(針山タイプ)

鳥が止まれないように剣山状にトゲがついている資材のことです。
送電線に近い部分に設置して、鳥が巣を作るのを防ぎます。


日動電工株式会社のウェブサイトより画像を引用

駅の天井や外灯の上にも使用されることが多い剣山タイプのものですが、鉄塔に使用されることも多いです。取り付けられているところが遠いので、肉眼でなかなか確認できないだけなのです。

物理的に鳥を鉄塔に止まらせないようにするのですが、たまに超絶技巧で止まっている鳥もいて、「おっ!!」と興奮しますよね…。

針千本を文字った「トリせんぼん」や、バリケードを文字った「トリケード」などのネーミングセンスも最高で大好きです。
「スーパーシホンⅢ」と「針山傘」、いつかゲットしたいです。



その2. タピオカ



これです。
どう見てもタピオカですありがとうございました。

実際は直径数十センチあるので、どう見てもタピオカでないことは確かなのですが、遠目にはタピオカに見えてしまうのです。

正式名称が分からないのですが、調べても出てきません。
何て検索したかって?「鉄塔 タピオカみたいな球」です。
検索するのが下手くそすぎる。

実は以前一度調べた際に、ほぼ「ムササビ避け」で合っていると確信を得たので、製造元の情報にたどり着いたはずなのですが、改めて調べてみると全く分かりませんでした。
どなたか情報を……!

ちなみに、タピオカブームの前は心の中で「ガンツのやつ」と呼んでおりました。



似たような機能のものに、ヘビ除けの筒もあります。
両方機能は一緒で、ツルツルして掴みにくいのでそれ以上は昇ってこられないというものです。鉄塔には齧歯類やヘビがよく昇って来るみたい。

齧歯類やヘビなどの事故による停電は「獣害」とされていますが、もともとそこに住んでいた動物からすれば、住処の近くに急に鉄塔ができて「昇ってくるな!」と言われる方が無茶ですよね。
こうした資材で動物の事故も減るといいな。



その3. ねずみ返し

鉄塔に必ずと言っていいほど設置されているのが「ねずみ返し」です。
「ねずみ返し」というと高床式倉庫のそれを思い出しますが、機能は一緒。
ただ、ねずみが昇ってくるのを防いでるわけではなく、実は主に人間が昇ってこられないようにと取り付けられているのです。
正式には「昇塔防止装置」というらしいです。



一般的な形といえばこれでしょうか。
一番大きな4本の脚に、それぞれ取り付けられています。サイズもコンパクトで設置しやすいですね。



そもそも、鉄塔はフェンスや有刺鉄線で囲まれていることが多いため、昇る前にひとつ障害があるのです。ガッチリとフェンスに囲まれている鉄塔の場合、ねずみ返しはシンプルなものであることが多い気がします。



こちらはフェンスで囲まれてない鉄塔。ねずみ返しがかなり複雑です。



こちらは放射状タイプ。
「登られん」という言葉でかなり牽制してきますね。

ここではいくつかしかご紹介できませんでしたが、放射状のものや格子状のもの、大きさや取り付け方の違いによって多種多様なねずみ返しがあります。
本当に数えきれないくらい種類があって、ねずみ返し部分をみているだけでも面白いので、今度鉄塔を見る機会があればぜひチェックしてみてくださいね。

やさしさがスゴイ!鉄塔と鳥のはなし

2020-05-22 01:58:42 | 日記
突然ですが、鉄塔の中程に設置されたこのネット、一体何だと思いますか?


実はこれ、鳥に向けて「ここなら巣を作ってもいいですよ〜〜〜」と、わざわざ設置されたものなんです。

え?!そもそも鳥って鉄塔の上に巣を作るんですか??
…というツッコミが来るのを勝手に想定して自分から言っちゃうんですが、作るんです。

鳥、鉄塔の上に巣を作るんです!!!!!!!

え…なんで?って思いますよね?
なぜならそこに鉄塔があるから。(たぶん)

ちなみに、鉄塔の上に巣を作るのはほとんどがカラスです。
鉄塔って日本全国、人間の住むところならどこにでもあるものなので、街のなかで生きるカラスにとっては都合がいいのかも。

さらに、カラスの中でもハシボソガラスという種類のカラスが特に多く巣を作るそう。
2012年に電力研究所がおこなった調査によると、ハシボソガラスの方がハシブトガラスより3倍も多く鉄塔に巣を作っていたとのこと。

なんでだろう…。(これは本当に分からないので、誰か教えて…カラスに詳しい人……)

そんなわけで、鳥が鉄塔の上に巣を作るというのは、珍しいことではないのです。
でも、作る場所によっては感電してしまうことも…。
送電線にあまりに近いところに巣を作ると、接触してショート、ひどいと停電してしまうこともあるのです。(もちろん、接触=死です…悲しい。)
人間側からは停電したら不便だな…くらいなものですが、自分の身に置き換えると恐ろしい!!絶対感電死はしたくないもの。

鳥の感電もなんとか防ぎたい…!ということで設置されたのが冒頭の「営巣誘導ネット」なのです。電力会社のやさしさ……♡

ちなみに、これが作っちゃダメなとこに作られた鳥の巣。心配だよ……



そして、こちらがきちんと営巣誘導ネットに誘導された、優等生な鳥の巣。


拡大するとこんな感じ。ちゃんとネットの上に作っていますね。


下から見上げてもほら!




ちょうどこの時期は、カラスの子育てシーズン。もしかすると鉄塔の上に巣を発見できるかもしれません。
ちなみに、こんな掲示がしてあったらその鉄塔の鳥の巣は、ヒナの巣立ちを待ってから撤去されます。


やさしい………♡

電力会社の優しさを感じることができる「営巣誘導ネット」。
鉄塔をみかけたら、設置されているかどうか、是非チェックしてみてくださいね。

ステイホームで鉄塔を楽しむ!エア巡礼のススメ

2020-05-06 13:59:58 | 日記
こんにちは。
ゴールデンウィーク中、ほとんどの方はお家で過ごされたと思います。
散歩はできるけれど家の周辺に限られるし、家の周辺には鉄塔がないからつまらない!なんて方も多かったのでは?!
そこで、お家でも簡単に鉄塔をたどれる「エア巡礼」を提案したいと思います!
なんとなんと!!エア巡礼は、場所・時間を問わずにやることができるのです。
残念ながら外出自粛要請が延長されてしまったので、週末でも、眠れない夜にでも試してみてください。

エア巡礼とは

たとえば、鉄道ファンは撮り鉄・乗り鉄・音鉄…など同じジャンル内にさまざまな嗜好のファンがいます。でも鉄塔ファンがやることはほぼ一つ。たどって、写真を撮ることです。
この、たどって写真を撮る一連の流れを、私は「巡礼」と呼んでいます。

じゃあ、エアってなんなんですか、エアって!!!とお思いのあなた。そう、エア巡礼のエアは、エアギターのエアと同じ。そこに実物がなくても大丈夫。スマホさえあれば鉄塔はたどれるのです。
つまり、「巡礼」を実際に自分の足で歩くのではなく、スマホのマップアプリ上で行うのが「エア巡礼」なのです。

エア巡礼してみよう

(文字を読むのがダルいな〜〜〜というかた!!画像だけみても大丈夫です👌)

エア巡礼に必要なのは、スマホ・もしくはパソコンです。
地図アプリは「Yahoo!MAP」と「Google Map」のふたつ。
なぜ同じ地図アプリなのに2つも?!と思うかもしれませんが、「Yahoo!MAP」は地図上で鉄塔を探す時に、「Google Map」は見つけた鉄塔の番号を確認する時に使います。


まずはYahoo!MAPで鉄塔を1基探します。鉄塔は地図上では正方形の二つの辺の真ん中から2本(1本や3本もありますが)の線が伸びた図形で示されます。
線は電線が伸びている方向です。(つまり、この線の方向へスクロールしていくと次の鉄塔を見つけることができるわけです)

探すのが難しければ、「変電所」で検索してその付近をみてみると簡単に見つかるはずです。
スマホ版のアプリだと、12500分の1以上の縮尺でなければ鉄塔のマークは表示されないので、探す際はご注意を!(ブラウザ版だと1万分の1以上)





鉄塔を見つけたら、その上を長押しすると、画面の下に住所が表示されます。
次にGoogle Mapでその住所、もしくは近くの目印になるような建物や交差点名で検索し、鉄塔の位置を特定します。そして、長押しして保存。
そのままストリートビューを開き、周りを見渡すと鉄塔が発見できるはずです。




私はこの状態で何回線のどんな形の鉄塔なのか、どのくらいの電圧なのか、確認できれば路線名と番号を記録します。(ラベルをつけると便利!)



そしてまたYahoo!MAPを開き、鉄塔のマークの線の伸びている方向へとスクロールしていくと、次の鉄塔を見つけることができるはず!

いかがでしょうか?
これで、家にいながらにして鉄塔をたどることができます。
いまはゆっくり家の中で鉄塔をたどり、外出自粛要請が解除されたら実際に鉄塔をたどってみるのもいいかもしれません。
その時を楽しみに、みなさんもエア巡礼してみませんか?