ばぬあ通信 ―バヌアツ共和国 青年海外協力隊活動記―

青年海外協力隊としてバヌアツ共和国タンナ島で小学校教諭として2007年から2年間活動しました。未知の世界をあなたへ☆

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no.39 4.28 バヌアツの宗教と英・仏共同統治

2008-05-17 18:30:10 | Weblog
みなさんこんにちは!今日はバヌアツの宗教と英仏共同統治について勉強しましょう♪
現在バヌアツの国民のほとんどはキリスト教徒です。19世紀はじめロンドン伝道師教会は太平洋のほとんどの人々をキリスト教徒に改宗させようとしました。当初、メラネシアン(バヌアツ人)の人たちを改宗させるのは簡単だと考えられていましたが、その頃のバヌアツには共通語がなく、島民と宣教師が相互理解するまでには長い時間がかかりました。その歴史の中では、殉職した宣教師が多数存在し、あるものは弓で撃たれ、あるものは食べられ、あるものはマラリアに倒れ、あるものは伝染病を持ち込んだという理由で惨殺されました。しかし、現在ではバヌアツにおいてキリスト教は広く受け入れられているし、「バヌアツではキリスト教が入ってから、殺されたり食べられたりする心配がなくなったんだよ。」とうれしそうに本気で話すバヌアツ人が多数いることを考えると、この改宗活動はバヌアツにとって結果的によいことであったといえそうです。

バヌアツにはビスラマ語(ピジン英語)、英語、フランス語の3つの公用語があります。それは独立前に英・仏の共同統治下にあったためです。1907年に共同統治が宣言され、その後1980年の独立まで英・仏の共同統治が行われました。そのため、言語、警察、教育、その他あらゆるものが英・仏2つの国により組織、管轄されていたため、共同統治というよりは二重支配といった状況であったそうです。例えば罪を犯して逮捕されても、イギリスの警察に逮捕されるのとフランスの警察に逮捕されるのでは罪の重さもその後の服役も変わってきてしまう。笑い話として、「フランスの刑務所のほうが厳しいが食事はおいしい」なんていう話があったそうです。その影響は今日も残っており、教育は未だに英・仏2種類の学校があり公文書も英語・フランス語の両方で書かれています。学校の教科書も英・仏両方があります。ちなみに英語で書かれている算数の教科書はフランス領であったセネガルの教科書を訳したものであるため大変わかりにくく、系統性のないものになっています。英仏共同統治といっても実際はフランス政府のほうがバヌアツに強い興味をもっていたためにイギリスよりもフランスの影響のほうが強いのかもしれません。学校においては、往々にしてフランス語系の学校のほうが設備が整っており、子どもの学力も高いといえます。またおじいさんなどは「独立前のほうが何もかもがしっかりしていた。昔はみんなもっと一所懸命働いていた。」という人がいます。小学校も今はスクールフィー(学費)がかかるのに独立前はお金がかからなかったそうです。

私はバヌアツへ来るまで、植民地支配というのは列強が自分の都合のために他の国々を支配している、食い物にしていると思っていました。確かにそういった一面があったとも思いますが、実際にかつて植民地支配されていた国で暮らしてみて、その考えが少し変わりました。植民地支配には、自分たちでは管理・統率がとれない人々に代わって国家としての体制作りをするという一面もあったのではと思います。バヌアツ人には計画的に長期的な視点でものを考えることはきわめて難しく、まして国家として組織的に動くことは不可能に近い。そんな人々に代わって国家・社会を形成し統率を図る。それも植民地支配のもつ側面だったのではと今では思います。もちろん、その裏側には利害関係があるのかもしれません。しかし、ただ人々が平和に暮らすということだけを考えると植民地支配される側にもにもそれなりの利益があるのではないかと考えられます。バヌアツは島嶼国家なので、1980年に独立したとき、それを知らなかった人も大勢いたそうです。知らぬ間に独立していた、言い換えると今まで保護してもらっていたのに知らぬ間に放り出されてしまった、バヌアツの独立にはそういった一面もあったように思います。

バヌアツの隣にあるニューカレドニアはフランス領です。それと比べると、正直なところバヌアツは貧乏くじを引いたのではと思うこともあります。ここバヌアツにも迫り来る近代化、環境の悪化。現在、国際社会の中でバヌアツが生き残るには、先進国の保護・援助がなくては難しい状況にあります。鎖国でもできれば昔のままの暮らしを幸せに続けられるかもしれませんが、一度近代化が始まってしまった以上それは不可能です。私の残り任期は1年半。この間にバヌアツがどのように変わっていくのかを、この目でしっかりと見ておきたいと思います。

次回は、気候と食べ物についてお勉強しましょう♪

写真はバヌアツ国旗です。赤は血、緑は大地、黄色は太陽、黒はブラックマン(メラネシアン)の肌の色、
くるっとまわっているのは富の象徴のタスカー(ブタの牙)、それとカスタムリーフです。
(国旗の色についてはいろいろな説があります。)

ではまた!Ale!(^o^)/
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