町田市議会議員 山下てつや “獅子奮迅”

てつやではたらく“山下てつや”が日々の活動や出来事、お知らせしたいことを報告します。

砂川、滝川のメタン発酵施設を視察

2012年11月10日 | 活動日誌

正面入り口、周辺

一昨日に続いて昨日は、滝川にある一部事務組合の広域ごみ処理施設を見学。

この施設も砂川にある一部事務組合施設と同様に焼却炉のない施設のため、可燃ごみの焼却については、他の施設に依存している状況です。したがって、これらの施設は焼却炉に持ち込む可燃ごみをできるだけ少なくするためのものとして位置づけられます。

具体的には、処理手数料の負担を抑えること、焼却処理せずに資源化率をあげることを目的としているといえます。

両施設から排出された可燃ごみは歌志内市の民間焼却施設で処理していますが、この施設は一部事務組合ではないこともあり、持ち込んだ分だけ手数料を支払う契約となっているようです。

このような関係から、砂川の施設では、木質系の可燃ごみを細かく破砕して、苫小牧市内の工場の燃料として出荷し、手数料負担を回避しているケースが認められました。

この手数料の根拠としてあげられていたことは、焼却炉に投入する量が増えると耐用年数が下がるので、そのための負担としています。焼却処理の役割、それにかかわるさまざまなリスクを民間が負担すると、行政はごみを減らそうとする効果があるようです。

さて、メタン発酵施設についです。まず、破砕除去における問題は、やはり、異物の混入です。ビニールなどの軽量物は、それほど稼働に支障をきたすことはないようですが、金属類、石、スプレーカンなど、生ごみを分別収集しているにもかかわらず、これらの異物が混入されてることが確認できました。このようなものが確認されると、機械を止めざるを得ないこともあるようです。また、気づかず運転して機械を損傷してしまうこともあるとのこと。

混入されてきた異物

したがって、町田市が、メタン発酵に取り組むのであれば、前処理は大きな課題ですので、対応について、明確な説明をする必要があると考えます。生ごみを分別収集しないのであれば尚更のことといえます。

もう一つは、生ごみの量の確保の問題です。本来、ごみですから量が減ることは喜ばしいことですが、両施設とも設計段階の想定と違って、予定した生ごみの量が確保できなかったことから、メタン発酵施設の稼働が半分もしくはそれ以下の状況です。これは、人口減少が大きな理由のようです。

発電機

しかしながら、この施設の大きな目的は、焼却処理に回る量を出来るだけ押さえることとすれば、その目的にはかなっているので、生ごみの量が少なく、発電量が低いという点については、問題と考えるべきことではないと思います。


この点から見た町田市の現在の新施設の検討における生ごみの量ですが、量が減らないという前提です。これは、メタンガス発生量にも影響してくる問題ですが、町田市の場合、少し事情が異なります。町田市の計画としては、再生可能エネルギーとしての価格で電力会社に売電することから、一定レベルの安定供給が求められるため、メタンガス発生量は採算性にかかわってくる問題となります。したがって、このあたりのリスクについて、どのように考えるべきかも含め、きめ細かい分析、検討をする必要があると思います。


最後に、生ごみを処理したときの焼却処理にまわす量について触れたいと思います。砂川、滝川の両施設で共通していえるのは、滝川市が堆肥化していることの違いはありますが、生ごみをメタン発酵処理などをした後に、焼却処理をする量が大変少ないことがあげられると思います。この点については、関係者の努力によるものと考えられますが、袋も含めた異物、堆肥の量を入れても投入された生ごみの重量ベースでは、焼却処理をする量は、2割に満たない状況です。これは、ごみの減量という観点でも、注目すべきことです。

この数字で考えると、町田市が計画している新施設の焼却炉の大きさについて、この点を踏まえて検証してみたいと思います。滝川市の資料によると生ごみ以外の可燃ごみとして集められる量は、一般廃棄物の5割です。この他に生ごみは3割あります。

町田市の場合、生ごみを単独では収集しないことになっているので、この5割の数字を含んだ量が焼却処理にまわると考えられましたが、5割の中身を見ると、布類、ビニール類、発砲スチロール、プラスチック類がというものです。これらについては、町田市の新計画では分別して資源化することとなっており、焼却処理にまわる母体となるものは、町田市の場合は、やはり、生ごみが主体であると思われます。

町田市ではメタン発酵施設と焼却施設を一体的に整備する計画を進めています。焼却炉へのごみの投入量を最大限に少なくするという視点では、砂川、滝川の両施設とどのような違いがあるのか、これを参考事例として、点検してみる必要があると思います。メタン発酵施設と焼却施設を別にわけて整備した場合とどのような違いがあるのか、建設コストにも関わってくる問題です。


今回の視察では、砂川、滝川両市の議会事務局の方、両一部事務組合施設の方に大変お世話になりました。こちらからの質問に、丁寧に対応していただき、本当にありがとうございました。