ミュージアム巡り AMDT ビデオが・・・

　少し時が経ち、1990年を迎えると新聞にギョッとする写真とコ
ピーが入った松下電器産業（現在のパナソニック）の広告が、今
でも印象深く頭の片隅に残像として横たわっていた。
　それは、遠方にビルが霞んで見えて戦車の砲筒が大写しになった
カットに、「ビデオが目撃していた」というタイトルに、サブで
「1989年、東欧の激動を撮り続けたパナソニックのムービーがあ
った」というコピーが掲載されたもの。
　この年は、ベルリンの壁の崩壊をきっかけに東欧諸国が民主化と
なり、２年後にはソ連も崩壊したターニングポイントとなった。
　この新聞広告、今見てもギョッとするような恐怖感を抱かせる写
真だ。これを眺めていると、ルーマニアで革命が起き民衆の不満を
買って公開処刑されるチャウシェスク大統領のシーンをTVドキュ
メンタリーで観たことを思い出す。あのシーンも一般市民が個人の
ビデオカメラで撮影していたプライベート映像だったと記憶する。
これも1989年だ。
（港区東新橋1-8-2　カレッタ汐留内）