ヤマト、一斉に通告
「黙って7カ月後にクビになれと…」
宅配大手のヤマト運輸が、顧客企業のカタログやチラシを各家庭に配達する業務(クロネコDM便)を委託してきた個人事業主(クロネコメイト)との契約を、来年1月31日付で一斉に打ち切ろうとしていることが分かりました。日本郵政グループとの協業に伴い、集荷以外の業務を日本郵便に移管するという理由で6月、個人事業主に業務委託契約の終了を通告しました。
横浜市在住の60代の配達員は8年前からクロネコDM便の業務を請け負って、1日平均400部のカタログやチラシを自前のバイクで配達してきました。6月にヤマト運輸の営業所長から呼び出され、来年1月末での契約終了を告げられました。「日本郵便への紹介はないのですか」と尋ねると、「一切ありません」と所長。「黙って7カ月後にクビになれという話ですか」と聞くと、「そうです」との返答でした。配達員は「月30万円程度の収入のあてがなくなる。人間をなんだと思っているのか」と憤慨します。
日本郵政グループとヤマトグループは6月19日に「持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意」を締結。「両社の経営資源を有効活用する」「トラックドライバー不足の緩和に貢献する」などとして、クロネコDM便のサービスを来年1月31日に終了し、日本郵便の「ゆうメール」を活用した新サービスを開始すると発表しました。ヤマト運輸が顧客から荷物を預かり、日本郵便の配送網で届けると説明しています。
さらに両社は、法人や個人事業主の小さな荷物を宅配するヤマト運輸の「ネコポス」サービスについても10月から順次終了し、日本郵便の「ゆうパケット」を活用した新サービスへ移管すると発表しています。ヤマト運輸が預かった荷物を日本郵便の配送網で届ける計画です。
本紙の取材に対してヤマト運輸は、クロネコDM便とネコポスの業務を委託している個人事業主は合わせて全国で約3万人にのぼると答えました。
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