3分岐ポイント:大宮操車場ハンプ入換
鉄道に使用するポイント(分岐器)にはさまざまな種類があることは勿論ご存知かと思います。特に鉄道模型を楽しんでいる方は、レイアウトにどんなポイントを使用しようか悩むのも楽しみと言えると思います。
実際の鉄道におけるポイントは現地に合わせた手作りですが、規格が決まっている模型では複雑な分岐形態を表現するのは難しく、複雑なものほどとんでもない金額で売られています。
昨日、帰り掛けにIMONに寄り道したのですが、TOMIXで3分岐のポイントが発売されているのを知りました。元々はTOMIXで揃えていたのですが、レイアウトの作成をやめてからは線路の発売状況など知る由もなく。
ところで、表題の大宮操車場ハンプ入換で使用されていた3分岐ポイントをご紹介したいと思います。
大宮操車場では、限られた線路延長の中で多くの群線を分けなければならないため、このような3分岐ポイントが多用されていました。
ご覧のようにキレイな左右対称の3分岐器となっており、下りハンプでは3分岐~3分岐×3で9本に分かれ、さらに2分岐で18本の入換線(このほかに1番線の外方へ20番線が分岐)がありました。上りハンプは3分岐~3分岐×2+2分岐×1でさらに2分岐の合計15本でした。
つまり、この狭い範囲で同じ構造の3分岐ポイントが7対もあったことになります。
実はこのポイント、エアー式なんです。マニアの方でも殆ど知らないと思います。
ポイントの切り替えといえば、転轍テコを使用した手動式とモーターによる継電式が一般的ですが、このようなエアー式が存在するということを大宮操車場に配属になって初めて知りました。
次々と坂の上から貨車が転がってくるわけですから、人力に頼るだけの手動式なんて危険過ぎますし、モーター式は力は要らないものの切替えに10数秒掛かってしまいますので、いずれもハンプ入換には不適なんですね。
で、安全性と作業性を優先した場合に有利だったのがこのエアー式だったのではないでしょうか。切替えは2秒ほどです。『シュー、バタン』。口で表わすとこんな早いんです。解かるかな?(笑)
何故このようなエアー式が可能だったかというと、カーリターダーと関係が深いのです。
カーリターダーはエアーがないと作動しませんので、ポイントを動かすためのエアーも供給が可能なわけです。もちろん、数が沢山ありますので、相当強馬力のコンプレッサーが使われていたものと思います。
これらの一連の動作は、高い位置の設けられた信号所の中で全て操作されています。カーリターダーを操作する担当と、ポイントを操作する担当、そして入れ替え間隔を見張る担当がコンビで作業を行っていたと記憶しています。
このようなエアー式のポイントが設置されることはもうないでしょうね。
模型ではその小ささ故にこの左右対称のこのタイプはちょっと難しいかもしれません。狭いスペースで群線を作るには持って来いのポイントなんですけれども。
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鉄道に使用するポイント(分岐器)にはさまざまな種類があることは勿論ご存知かと思います。特に鉄道模型を楽しんでいる方は、レイアウトにどんなポイントを使用しようか悩むのも楽しみと言えると思います。
実際の鉄道におけるポイントは現地に合わせた手作りですが、規格が決まっている模型では複雑な分岐形態を表現するのは難しく、複雑なものほどとんでもない金額で売られています。
昨日、帰り掛けにIMONに寄り道したのですが、TOMIXで3分岐のポイントが発売されているのを知りました。元々はTOMIXで揃えていたのですが、レイアウトの作成をやめてからは線路の発売状況など知る由もなく。
ところで、表題の大宮操車場ハンプ入換で使用されていた3分岐ポイントをご紹介したいと思います。
大宮操車場では、限られた線路延長の中で多くの群線を分けなければならないため、このような3分岐ポイントが多用されていました。
ご覧のようにキレイな左右対称の3分岐器となっており、下りハンプでは3分岐~3分岐×3で9本に分かれ、さらに2分岐で18本の入換線(このほかに1番線の外方へ20番線が分岐)がありました。上りハンプは3分岐~3分岐×2+2分岐×1でさらに2分岐の合計15本でした。
つまり、この狭い範囲で同じ構造の3分岐ポイントが7対もあったことになります。
実はこのポイント、エアー式なんです。マニアの方でも殆ど知らないと思います。
ポイントの切り替えといえば、転轍テコを使用した手動式とモーターによる継電式が一般的ですが、このようなエアー式が存在するということを大宮操車場に配属になって初めて知りました。
次々と坂の上から貨車が転がってくるわけですから、人力に頼るだけの手動式なんて危険過ぎますし、モーター式は力は要らないものの切替えに10数秒掛かってしまいますので、いずれもハンプ入換には不適なんですね。
で、安全性と作業性を優先した場合に有利だったのがこのエアー式だったのではないでしょうか。切替えは2秒ほどです。『シュー、バタン』。口で表わすとこんな早いんです。解かるかな?(笑)
何故このようなエアー式が可能だったかというと、カーリターダーと関係が深いのです。
カーリターダーはエアーがないと作動しませんので、ポイントを動かすためのエアーも供給が可能なわけです。もちろん、数が沢山ありますので、相当強馬力のコンプレッサーが使われていたものと思います。
これらの一連の動作は、高い位置の設けられた信号所の中で全て操作されています。カーリターダーを操作する担当と、ポイントを操作する担当、そして入れ替え間隔を見張る担当がコンビで作業を行っていたと記憶しています。
このようなエアー式のポイントが設置されることはもうないでしょうね。
模型ではその小ささ故にこの左右対称のこのタイプはちょっと難しいかもしれません。狭いスペースで群線を作るには持って来いのポイントなんですけれども。
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往時の大宮操車場の線路配線がよく分かるお写真で素晴らしいです
特に2枚目
西側へのトンネル連絡線がいいです(笑)
コメントありがとうございます。
大宮操車場近辺の写真はそれなりに出てくるとは思いますが、中から、まして上から撮った写真は殆ど出てこないと思います。ほんの一部の職員しか写真を撮っていませんでしたからね。
トンネル付近の写真は、https://photo.ap.teacup.com/marutetsu/855.htmlでもご紹介していますので、ヒマがあったらご覧ください。