鉄道改善案

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JR各社車両デザイン批評

2014年11月24日 | 鉄道車両
本稿では鉄道各社の車両デザインについて批評したい。今回はJR。評価は5段階。

1.JR北海道 (評価4)
 JR北海道の車両スタイルとして、通勤車両は731系、733系、735系が一つのモデルとして確立しているようである。特急車両については789系、キハ261系など面長の顔に「目」を中下部に配置するいわばヨーロッパ風のデザインに収束しつつある。いずれもデザイン的に良くできており、美しさとバランスを兼ね備えた、好感を持てる車両である。

2.JR東日本 (評価1)
 通勤車両のデザインは比較的よい(E233系など)。しかし特急車両のデザインが酷すぎる。特に最近登場したE657系や新幹線車両のE5系はよくない。E657系は「顔つき」がきつつぎるし、E5系は「鼻」のアウトラインが不細工であり、JR海、西、九のN700系とは雲泥の差である。ジョイフルトレインでは「とれいゆ」(E3系)の色塗りも、側面の白をそのまま前面に用いればよいのに、なぜか前面のみ青く区切っている。これが逆にアンバランスを生み出し中途半端な外見になってしまう。極めつけは最近発表されたクルーズトレインである。プレリリースを見ると前面が下を向いているが、下向きの列車に乗る気は起こらない。まだデビューしていないので、いますぐ根本的デザイン変更を施すべきである。 
 ここ数年、JR東日本の造る特急車両は残念ながらデザインセンスのなさが際立っている。デザイン担当者を変更するか優秀な専属デザイナーを雇って根本改善し、醜悪な車両をこれ以上増産しないよう努めるべきである。

3.JR東海 (評価5)
 JR東海はとにかく車両のデザインセンスが良い。これは木村一男氏の才能によるところが大きいであろうが、例えば特急「しなの」の383系。これほどスマートでカッコいい車両は日本にないといっていいくらい、完璧なデザインだ。そして特急「ひだ」のキハ85系は優しさと気品を兼ね備えた、日本を象徴するかのような美しい顔。通勤車両の311系も簡素だが通勤車両として必要十分なデザインを備えており、見るからに軽快な印象だ。もちろんJR東海の顔、N700系も忘れてはいけけない。振り子装置を備え時速300kmで走る車両にも関わらず、前面に無理がない。きれいなフォルムでまとめられており、非常に美しいデザインだ。JR東海の車両は総じてシンプルだが、非常に整っていて美しい。この流れを今後も継続してほしい。

4.JR西日本 (評価4)
 JR西日本の車両デザインは総じて良いと言える。特に287系の絶妙なアウトラインは他車両の追随を許さない。これほどの車両はむこう20年は現れないであろう。広島地区に導入される227系や関西地区最新の225系のデザインも悪くない。(ただ転落防止に前面にもステッカーをつけるのはデザイン上賛同はできない。)概してJR西日本の車両デザインは良好であろう。

3.JR四国 (評価3)
 JR四国の車両デザインは一言で言うと「可も不可もない」といえる。面白みにやや欠けるが無難にまとめているという感じか。ただし一部の車両に「奇抜さ」がある。8000系は矢のようにスマートでカッコいい。8600系は今までの特急列車の常識を打ち破るような前面デザインだ。先頭を新幹線0系風に改造した気動車が走り始めたことが話題になった四国であるが、「奇抜」なDNAは今後も受け継がれていくに違いない。

4.JR九州 (評価5)
 JR九州は何と言っても独自の世界観だ。最近登場した「なななつ星」はもちろん、「はやとの風」、「指宿のたまてばこ」、「ゆふいんの森」、「ソニック」883系など挙げればきりがない。そこは完全に水戸岡鋭治氏の世界で、車両の内外ともに異国情緒に和の魂が融合した、非常に嗜好のこらされた、そして何よりも「楽しい」空間だ。利用者は非常に圧倒され、別世界に引き込まれていき、飽きることがない。これは鉄道車両というよりももはやテーマパークか高級旅亭の域に達している。この世界観によってJR九州の車両イメージは他の追随を許さぬ確固たる地位を確立した。もはや他社は真似したくても決してできないだろう。九州は鉄道車両の楽園だ。車両デザイン評価云々の次元を超越しており、無条件で最高の5をあげたい。これに異論はあるまい。