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山の神と造化三神を祭る吉野山口神社と高鉾神社(吉野町)/毎日新聞「やまとの神さま」第29回

2022年12月24日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。今週(12/22)掲載されたのは、〈山と雨の神、万物創造の神/吉野山口神社・高鉾神社(吉野町)〉、執筆されたのは吉野町ご出身の亀田幸英さんだった。
※トップ写真は、吉野山口神社本殿(左)と高鉾神社本殿(右奥)=吉野町山口で

この2つの神社が同じ場所にあることは知っていたが、高鉾(たかほこ)神社はもとは龍門岳の頂上に祭られていたとは、初めて知った。だからご祭神も関連性がなかったのだ。高鉾神社に祭られる高皇産霊神(たかみむすびのかみ)は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)と高御産巣日神(たかみむすびのかみ)とともに造化三神と言われ、記紀冒頭の天地開闢(てんちかいびゃく)の時に登場する最高神である。では記事全文を紹介する。

吉野山口神社・高鉾神社(吉野町)
吉野山口神社と高鉾(たかほこ)神社は龍門岳(904㍍)の南麓(なんろく)、吉野町山口の旧伊勢街道と、龍門滝や龍門寺跡へのY字型の岐路の間に鎮座しています。

吉野山口神社の創建年代は不詳ですが、祭神は大山祇神(おおやまつみのかみ)で、古来山の神、降雨・止雨を司(つかさど)る神として信仰されています。

高鉾神社は龍門岳の頂上に祭られていましたが、約500年前に吉野山口神社の境内に遷(うつ)されました。祭神は万物を造られたとされる高皇産霊神(たかみむすびのかみ)です。

地元では両社を龍門大宮(りゅうもんおおみや)と呼び崇敬されています。どちらも平安時代の「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」に記載された式内社で格式の高い神社です。

正面の大鳥居をくぐり参道を進むと唐破風の立派な拝殿があります。その前に、八代将軍徳川吉宗が寄進した2基の灯籠(とうろう)があります。この灯籠は参勤交代の際の通行ご加護に報いるもので、1716(正徳6)年の銘が刻まれています。拝殿の後方に両本殿が並び、向かって左が吉野山口神社、右が高鉾神社です。

高鉾神社本殿の裏手には県指定の天然記念物「山口のツルマンリョウ群落」があります。7月ごろにかれんな花を咲かせ、翌年秋に果実が美しく紅熟し、参拝者の目を楽しませてくれます。(奈良まほろばソムリエの会会員 亀田幸英)

(住 所)吉野町山口634
(祭 神)〈吉野山口神社〉大山祇神 〈高鉾神社〉高皇産霊神
(交 通)近鉄大和上市駅からタクシー約15分
(拝 観)境内自由
(駐車場)無


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