tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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宿泊業が地元農業を救う!

2008年06月12日 | 奈良にこだわる
週刊観光経済新聞(6/7付)1面トップ記事は《宿泊業が農業を活性化 地元産品利用で生産額増に 近畿では1.2%増加》だった。農水省の調査(平成19年度 食料・農業・農村の動向)結果を紹介する記事で、宿泊関連産業と農業生産額の関連を調べたのは、今回が初めてだそうだ。農水省は現在「農商工連携」を推進しているので、こういう調査を行ったのだ。

記事によると、農水省は《地域の旅館やホテルなどの宿泊関連産業が地元農産物の調達量を増やした場合、地域の農業生産額が押し上げられるとの試算を発表した。地域によっては4%超の増加率が見込めるところもあり、観光産業の農業に与える影響の大きさが分かった。宿泊施設が「地産地消」に積極的に取り組めば、地域農業の活性化の一助となりそうだ》。

《試算によると、最も伸び率が高いのは近畿で、4.2%の伸び。中部(1.8%)、関東(1.7%)、沖縄(1.7%)がこれに続き、一定の生産波及効果が見込めることが分かる。一方、北海道(0.3%)、東北(0.3%)、四国(0.6%)は伸び率が1%未満だった。農水省は、「近畿のようなある程度広い範囲で生産額が4%伸びることの影響は大きく、地元への波及効果も見込める」と評価。中部や関東、沖縄も2%近い伸び率であることから、宿泊施設による地元農産品の調達量の増加とその効果に期待を寄せる》。
※同記事のサイト
http://www.kankokeizai.com/backnumber/08/06_07/kanko_gyosei.html#01

こんな県もある。《佐賀県では「こだわり」「特選食材」「季節限定」の3タイプの認定要件を設定。最も認定要件の厳しいこだわりタイプでは、使用する食材の3分の2以上が県産食材で、かつ使用する米の全量を県産米にするといった要件を満たした飲食店や宿泊施設を地産地消の店として認定する》。

それにしても、ホテル・旅館が地場食材を積極的に使うだけで、地元農業の生産額が最高で4.2%も増えるとは、驚きである。

冒頭の写真は、職場の旅行で行った昼神(ひるがみ)温泉(長野県下伊那郡阿智村)の「昼神グランドホテル天心」で出てきた朝食だ(6/8)。

火であぶっている稚アユ(一夜干し)の塩焼きは秀逸で、頭からまるごといただいた。向かって左側のキノコと山椒の実の佃煮は、食後に売店で探して買っていた同僚がいた。野沢菜の漬け物、刺身コンニャク、冷や奴、野菜たっぷりの信州味噌の味噌汁(フタをした小鍋)も美味しい。すべて地元産だ。夕食でも、信州産和牛のミニステーキや赤ワイン煮込み、天然鮎の塩焼き、笹巻き寿司、信州とろろそばなど、地元の山の幸・里の幸がてんこ盛りだった。

以前、榛原区(奈良県宇陀市)の「うし源」でステーキランチをいただいたが、お肉が旨いのは当然としても、付け合わせの野菜とご飯が美味しいのには驚かされた。これも地元産だ。



奈良市内の旅館関係者から「地元産を使いたいが、必要な数量が揃わず、種類も価格も安定しないので使いづらい」という声を聞いた。しかし、農家と直接契約して仕入れている料理店も増えてきたし、朝市や道の駅で買い付けるという手もある。ならまちだと、奈良町情報館の朝市でも川上村の新鮮野菜が入手できる。

安全で環境にも優しい(輸送に要するエネルギーが少ない)地場産品を使っているということは良いPR材料になるし、ヨソとの差別化にもなる。奈良県でも、佐賀県のような認定制度を作って推進すれば、宿泊業にも農業にもプラスになると思うのだが…。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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そうですね (ichiro)
2008-06-12 07:34:32
観光そのものに、いわゆるグリーンツーリズムもありますが、農林漁業との提携は大事ですね。

市民が農林漁業に近づけば、農林漁業の質も変わってくる(農薬、化学肥料じゃぶじゃぶでないものに・・・)と思います。

おっしゃるように地産地消になれば、「フード・マイレージ」も下がってエネルギー、CO2問題にも貢献しますね。

農商工だけでなく、行政は勿論、学とも連携して総力戦でやったらよいなあ、と思います。
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14日は奈良町へ (蔵武S)
2008-06-12 09:55:00
 中院町の奈良町情報館では、14日に恒例の吉野郡川上村高原(たかはら)の野菜や特産品即売会が開催されます。ここの野菜や特産品を定期的に仕入れて使用している飲食店が奈良町に何軒かあるという。僕には高原の名水が二日酔いに効く感じなので、時々お世話になっている。詳細は彼らのHPをご覧あれ(勝手にここへコピーしようとしたけれど、アドレスを貼付できませんでした)。
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新鮮しいたけ岡本 (tetsuda)
2008-06-16 22:43:24
ichiroさん、蔵武Sさん、コメント有り難うございました。

> 市民が農林漁業に近づけば、農林漁業の質も変わってくる(農薬、化学肥料じゃぶじゃぶ
> でないものに・・・)と思います。おっしゃるように地産地消になれば、
> 「フード・マイレージ」も下がってエネルギー、CO2問題にも貢献しますね。

その通りですね。ichiroさんのブログも拝見しました。食の安全・安心への関心が高まり、地産地消が見直されています。農工商と産官学が連携して、大きな枠組みができれば良いのに、と思います。

> 中院町の奈良町情報館では、14日に恒例の吉野郡川上村
> 高原(たかはら)の野菜や特産品即売会が開催されます。

6/14は「酒仙堂」というならまちのユニークな古本屋さんへ出かける途中で、この即売会に立ち寄りました。

シッカリした生しいたけを数本買いました。吉野町の「新鮮しいたけ岡本」さんの逸品です。軽くあぶってショウガ醤油でいただくと、しいたけの香りが立って、とても美味しかったです。

今頃リンクを貼っても遅いのですが、ブログはこちらです。http://blogs.yahoo.co.jp/bmtbq254
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