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中将姫ゆかりの當麻寺と石光寺/毎日新聞「かるたで知るなら」第2回

2021年04月12日 | かるたで知るなら(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「かるたで知るなら」を連載している。2018年に制作した「奈良まほろばかるた」の札を紹介するコーナーだ。先週(2021.4.8)掲載されたのは「中将姫ゆかりの當麻寺と石光寺」、執筆されたのは奈良市在住の吉川清司さんだった。

毎年4月14日に開催される當麻寺の「練供養(ねりくよう)」、今年はコロナ禍で密を避けるため、橋(来迎橋)をかけず、規模も縮小されるそうなのでご注意いただきたい。しかしいくらコロナが蔓延しても、花は毎年咲く。「當麻の里ぼたん祭り」(當麻寺・石光寺)は4月13日(火)~5月6日(木)まで開催されるので、今年はこちらにご注目いただきたい。では記事全文を紹介する。

中将姫が一夜で織り上げたという曼荼羅(まんだら)を本尊とする当麻寺は、聖徳太子の弟の麻呂子(まろこ)親王が創建した寺が始まりとされ、その後、親王の孫の当麻国見(たいまのくにみ)が現在地に寺を移したと伝わります。境内は金堂、講堂、東西両塔による南北の伽藍(がらん)と、東大門、曼荼羅堂(本堂)による東西の伽藍で構成されています。

創建当初は弥勒仏弥勒仏(みろくぶつ)を本尊とし、空海が滞在してからは真言密教が栄えました。その後、末法思想の広がりとともに当麻曼荼羅の信仰が高まり、浄土宗も加わりました。国宝などの文化財も多く、日本唯一残る古代の両塔、曼荼羅堂、金堂本尊の弥勒仏坐像(ざぞう)、乾漆像乾漆像(かんしつぞう)としては日本最古の四天王像などがあります。

毎年4月14日には、中将姫が西方極楽浄土に行く様子を再現する「聖衆来迎練供養会式(しょうじゅうらいごうねりくようえしき)」(当麻レンゾ)が行われます。二上山に沈む夕日の中、中将姫が二十五菩薩(ぼさつ)に導かれ、西方浄土の曼荼羅堂に向かいます(今年はコロナ禍のため橋をかけず規模も縮小されます)。

石光寺は、天智天皇の勅願により役小角(えんのおづぬ)が建立した寺と伝わります。1991(平成3)年には「弥勒石仏」が発見され「光を放つ三大石で造られた石仏を安置したことに始まる」という伝承が裏づけられました。

境内には中将姫が蓮糸を染めたという井戸「染の井」や糸を枝にかけて乾かしたという「糸掛桜」があるほか、「関西花の寺二十五カ所」の第二十番札所にふさわしく、寒ボタン、春ボタンをはじめ、梅、シャクヤク、サルスベリなど四季折々の花が咲きほこります。(奈良まほろばソムリエの会 会員 吉川清司)

当麻寺
(住所)葛城市当麻1263
(拝観)9~17時
石光寺
(住所)葛城市染野387
(拝観)8時半~17時


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