意思による楽観のための読書日記

名字と日本人 武光誠 ***

名字のルーツを解き明かしてくれる本。

読むのが難しすぎて、有害であり、やむを得ないと考えられれば名字も変えられるとのこと。例えば、猿毛、百足、狼、蝶々、鬼熊、金柑、稲、井戸端、釣瓶、桶、鍋、簾、色摩、穴倉、赤禿、三目、大工、春、朝、桶屋などが改名を許されたという。難読として認められたものに、広海渡(ひろかいと)、安富祖(あふそ)、根路銘(ねじめ)などである。

地方別に多い珍名では青森の苫米地、栃木の宇賀神、埼玉の遊馬、愛知の木全、余語、岐阜の道家、富山の二口、滋賀の馬杉、兵庫の来住、岡山の角南、妹尾、鳥取の鷲見、香川の六車、高知の入交、愛媛の上甲、徳島の美馬、天羽、福岡の白水、佐賀の南里、大分の御手洗、鹿児島の伊地知、中馬、伊集院などである。

名字の由来には次のものがある。
①職業名:鍛冶、臣、魚屋
②事物名:亀、蛇、机、台
③美祢名:宝木、増満、福
④個人名:源内、二郎、為貞
⑤神仏名:稲荷、大仏、星
⑥賜名:橘、留目、日本
⑦渡来人:高麗、石狩、与那原

母系の血縁社会から武家社会に移行するときに名字の必要性が高まった。平安から鎌倉、室町に至る期間に名字が広まったという。源平争乱の影響もある。多田満仲から八幡太郎義家、そこから新田、足利、三上、佐竹、武田、源が分家のように発生している。多田の子孫は摂津の国で多田庄を形成した。

古代の姓から生まれた名字もある。
名代として建部、財部、日下、長谷、八田、三枝、軽部、丸子、桜井
職業部として卜部、佐伯、来目、錦織、服部、山部、海部、土師、弓削、磯部、斎部、犬飼、鳥飼、鵜飼、玉造、大友、物部
豪族として曾我、葛城、平群、巨勢、紀、秦、綾、和仁、栗田、穂積、三輪、加茂

日本には29万の名字があるというが中国は500、張、王、李、趙、劉、朱、宋、陳、孫この9種類で9割であるという。朝鮮では250種類程度で金、李、朴で半数をカバーする。
名字と日本人―先祖からのメッセージ (文春新書)
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