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意思による楽観のための読書日記

地形と歴史から探る福岡 石村智 ***

福岡と言えば思い起こすのは、明太子、豚骨ラーメン、人によっては中州や屋台、そして熱烈なファンも多いソフトバンクホークス。福岡、庶民にとっては博多、その地は荒海の玄界灘に臨み、遠い昔から新しい文化や人たちが朝鮮半島や中国大陸からの入り口ともなっていた。海を通してもたらされる文化や情報の影響を強く受けた福岡は、古代以前の縄文時代以来、日本列島の中でも最も早く稲作が始まった地であり、平安時代にはすでに唐人町があったとされる。

博多は朝鮮半島との距離から、歴史的に外部からの侵攻を受けやすい場所、刀伊の入寇、元寇の襲来を受ける場所でもあった。一方、玄界灘から東シナ海、南シナ海をまたにかける倭寇は、当初は九州北部を拠点とし、後期には、中国大陸の人たちが中心となって活動をつづけたという。博多は商人たちが唐、宋、明などとの貿易、さらにはその向こうにあるアジア諸国とも交易を図った港としての歴史もあった。

本書では、旧石器時代から近現代までの歴史を紐解き、日本列島の玄関口としての福岡の繁栄を分析。歴史、外国からの文化受け入れ、京や江戸に対抗する勢力、対外戦争、政治的位置づけ、福岡の独自文化という切り口から独自の見方を展開している。早くから開けていた「福岡」としては、ラグーンとしての博多湾、天然の良港、としての福岡を解説。半島や大陸からの文化受け入れの歴史、弥生時代の奴国、伊都国、文化遺産に登録された沖ノ島、対馬に存在してきた秘密の港などを取り上げている。

「福岡」にある外国人受け入れの下地として古くから渡来人が上陸する場所として、弥生時代以前からの稲作の痕跡、そして大唐街の存在、宋の商人謝国明などを解説する。中央に対抗する「福岡」としてはその反骨精神を取り上げる。継体王朝に対抗した磐井の乱、南北朝時代には南朝の懐良親王の拠点となり北朝に対抗して歴史を取り上げた。対外戦争の窓にもなった「福岡」として白村江の戦の出立の地、その敗戦に後には防御地としての福岡に水城を設け、大野城、太宰府などを設置。蒙古襲来では主戦場となる。多様な政治力を醸成する「福岡」として、右翼団体の玄洋社を紹介、その中心人物であった頭山満を紹介。彼の掲げた大アジア主義では、中国の孫文や蒋介石との交流をあらためて評価した。独自の文化を持つ「福岡」として芸能の地であることを紹介。伝統的な幸若舞、神楽、博多祇園山笠、どんたくというお祭り好き気質を取り上げた。大衆演劇として川上音二郎や大衆演劇を盛り上げた人々の盛り上がりを紹介した。

福岡は程よい都市性とコンパクトシティとしての利便性、東京や大阪に対抗できる分散機能を提唱している。本書内容は以上。
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↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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