週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

作家の輝き。

2014年10月18日 | ☆文学のこと☆



 2014年10月16日のこと

 職場を早く抜けさせてもらい、神楽坂に向かう。

 児童文学作家で、日本児童文学者協会の理事でもある加藤さんのご厚意で、予約をせずに、【子供たちの未来のために】フォーラムに参加できた。

 やや遅れて到着すると、会場は約270名にも及ぶ、人々が集まっていた。

 特定秘密保護法の違憲性を問い、廃止にしようという児童文学に関わる大人たちの集い。この問題に関する関心の高さが伺える。



 グローバルに法の世界を説く慶應の名誉教授の小林節さんの講演から始まった。

 ときにブラックなジョークを交える砕けたお話しは、法に疎い私の煩悩にもすんなり入るほど判りやすい。なるほど、頭脳明晰だけでは教授はできないのだ、と学生時代を思い出した。人気のある教授は、実績だけではなく、話術に長けた方が多かった。

 5分の休憩を挟み、リレートークがスタート。

 あさのあつこさん、いわむらかずおさん、さくまゆみこさん、武田美穂さん、森絵都さん、岩崎書店の岩崎社長が順にお話しをしてくださった。

 それぞれの家族や社会背景を元に、それぞれの思いや痛切を、ときに強烈な辛口とユーモアでたっぷり語られる。特定秘密保護法の問題は、平面だけでは論じられないということだろう。

 原発の問題、集団的自衛権の問題と複層的に論じる方が多かった。

 それにしても、皆さんおしゃべりのお達者のこと。話しに長じてないからこそ、物書きになるもんだと思っていたけど、高橋うららさんのおっしゃる通り、昨今の作家はおしゃべりができないと第一線には立てないようだ。 

 森絵都さんは作家としての自分と個人としての自分を分けて考えているとおっしゃった。

 だが、皆さんの話しを聞いていて思ったことは、 作品の個性そのもののように、語る口調にも個性が宿っているということ。

 加藤さん、司会お疲れさま。関係者の皆さん、ありがとうございました。

 帰りは、その刺激を胸に神楽坂の石畳を下ったのである。

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 そして、本日18日は息子の家庭教育学級というのに参加してきた。

 講師は、第20回松本清張賞を受賞された、山口恵以子さん。

 そうこの名前と響き、どこかで聞いたことがおありだと思う。

 食堂のおばちゃんが大きな文学賞を取ったということで、時の人となった方だ。

 早稲田の学生時代、就職活動をせず、漫画家を目指し、宝石会社の派遣などをしながら、漫画家を諦め、シナリオのプロットを書いてきたエピソードを伺った。

 話題とされた、食堂のおばちゃんが苦節25年の末という表現は正しくないそうだ。

 実際には苦労も挫折もない。

 彼女には、幼き頃から物語を創るというはっきりと見える一本の糸があり、 その糸を手繰ってきたら小説家としての賞を得た、ということらしい。

 ここにも、確固たる作家の意志が感じられる。

 先のフォーラムの作家たち同様、ときに辛辣なペーソスを交えながらも、ユーモアも忘れてはいない。

 時間の感覚にルーズな娘の指導に困った方の相談には、インドへ行け!
 
 これには笑った。

 また、会場にはそのインド人の会社で働く方もおり、10年先の計画を考える日本人の滑稽をインド人に嗜められた体験を語られていた。なるほど、土地や文化の尺度、モノの見方を変えると風景がまるで違って見えるのだ。

 この意外でかつ単純なロジック、およそ気付かないで日常を過ごしてしまってないか。自問してみる。

 ここ一番では全力で立ち向かう、その末の敗北は決して挫折などではなく、諦めがはっきりすることで、新たな道が切り開かれる、次のステージに向かう好機であると山口さんはいう。

 諦められるほどの全力を投じたか!

 この世は輝ける闇。ハイデカーと開高健の投げた球を私はいまだ追い続ける。

 来週は、窒息するほど密度の濃い、作家集団の合宿である。

 いろいろと刺激をもらっている、文学の秋である
  

 【道半ばベンチで鮭の握り飯】哲露

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小説
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