週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

河童の願い。

2014年07月12日 | ★江戸っ子エッセイ★


       合羽橋本通り商店街

 毎年文月に入ると、はじまるイベントがある

 言わずと知れた、入谷鬼子母神の朝顔市と合羽橋の七夕祭りである。

 あ~、浅草に夏が来たって感じ。

 国際通りから昭和通りにかけての長い本通り、七夕幟が本家に負けじと壮観にたなびくのだ。

 さあ、内輪に浴衣に、ベビーパウダーを鼻につけて、夏祭りに出掛けよう。


「夕涼み河童の祭り下駄鳴りて」哲露




 封建時代、度々の洪水に立ち上がった合羽屋喜八が埋葬された曹源寺がある。

 同人の河童の会の面々とここ2年つづけて参拝している。

 そう、ここは河童大明神の見守る河童の町なのだ。

 かつての新堀川を越えて様々な店が連なる。

 下町風はもちろん、珍しい各国の露店も見物。

 色とりどりの大道芸が世相に疲れた人々を笑顔に戻している。




 女の子たちの可愛らしいフラに癒され、起き上がり河童にパンチする男の子に微笑む。

 これ、ちっちゃい頃よくやったなぁ。

 こんな単純なもんが楽しかったんだよね。昔も今も子供の遊びは単純がいちばん。

 何もなければ、子供は安上がりの想像力で楽しめる。



 懐かしいポン菓子の大音響に吃驚し、きびだんごのおじさんに少年の目が輝く。

 妹の的当てをそっと覗くお兄ちゃんは、まるで昔の自分を見ているようだ。 

 コロッケを買い、唐揚げを食い、冷えたビールを飲む。

 梅雨の干ぬ間の午後、こんな幸せはない。



 夕刻になり、叩き売りが増えた。

 三丁目の夕陽よろしく、JAZZをつま弾くおっさんたちがカッコいい。

 料理も酒も余ってはならじと売り子の声がひびく。

 歩きながら、あっちこっちと目移りしてしまうわ。 




 兄ちゃんの熱心さに、おもわず、釣られて買ってしまった。

 残り三個のソフトクリーム。

 兄ちゃん、冷ゃっこくて旨かったよ!



 バイオリン弾きもいたし、こんな芸術も見られるのは、上野の森が近いから。

 そう私の学んだ上野中学のお隣は、芸大なのだ。

 いろんな才能がある。

 それに気づき、活かすも殺すも自分次第。

 羨ましいことに、若者にはチャンスと時間がたくさんある。

 思う存分やって欲しい。



 震災と政府間のいざこざもあり遠のいていた観光客も戻ってきた。

 私が書いている横で、欧州のどっかから来たとおぼしき外国人数人が短冊に記している。

 七夕の願い、理解しているのだろうか。

 その真剣さ、微笑ましいことこの上ない。

 こうした文化の交流と、人間同士の友好が平和につながることを祈った。



 東京スカイツリーがずっと眺められる河童ストリート。 

 妖か忍術か、お面が一瞬に変わる大道芸に拍手が起きていた。

 一年中祭りのある浅草においても、このイベントは至極愉しい部類に入る。

 続けて行われたほおずき市は台風に祟られたが、売り子のお客も逞しい。

 台風の隙間に、橙とオレンジの鮮やかなほおずきがジャンジャン売れていた。

 来週の足立の花火は同人の大切なイベントで見れない。だが月末には隅田川の花火がある。

 夏はこれから。

 台風一過のあとの二重の虹が幻想的だったそうな。

 さて、一番海は何時いこうか。

 そんなことをつらつらと考えるのも、夏の愉しみのひとつであるな

 



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