週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

四丁目の夕日!

2012年02月01日 | ★映画★

                     

 今年に入って4本目の映画

 「ALWAYS 三丁目の夕日’64」。

 映画のシリーズの続編はほぼ第1作を上回る内容のものが少ない。それは初回の新鮮さ、インパクトが期待度を高めるためでもあるが…。それだけでもあるまい。

 しかし、昭和39年が舞台の本作は、シリーズの中でも高い評価を与えていいのではないだろうか。

 西岸良平、山崎貴、吉岡秀隆は期待を上回る傑作を作った。

 昭和40年代生まれのあっしだが、地元浅草の人情と雰囲気はまさにこの映画と同じ空気感であった。脚色は多いけど、昭和の一こまの情景をよく写していると思う。役者の配役もよかったが、昨今のCGはすごいですなあ。

 あっしがまだ幼い頃、いたずらしちゃあ、隣の八百屋のおばちゃん、おじちゃんに叱られた。駄菓子屋でも、屋台でも子ども同士で喧嘩していると、両成敗とばかり、こってり叱られた。懲りずにいたずらは繰り返すものの、大人も神様も見ているのだ、必ずどこかで誰かの目が光っているのだ、という意識を教わった。その内、それは自分自身の中に節度というものを植えつけてくれたのだ。それを教える躾けが、この当時の大人にたしかにあったのだろう。そこへいくと、今のあっしなどは親として、大人として、胸を張れず、相変わらずの とほほ、である。

           

 思えば、あの頃は、夕方の隣家から、
 
 「かよさん、かつおぶし切れたから貸しとくれ」
 
 「ふくちゃん、お安い御用だ。あいよ」

  ってなもんで、その翌日。
 
 「昨晩は助かったよ。竹の子の煮物こさえたからよかったら食べて」
 
 「まあ、いいのに。かよさん、どうもご馳走さま」

 下町、長屋文化が残っているこの時代が妙に懐かしい。そういう人と人の温かい交流を書きたいと思う。

          

 茶川竜之介は小説家。それも芥川賞候補になったほどの純文学派なのだ。それが、ヒロミと淳之介を養うことから、「冒険少年ブック」という雑誌の連載をすることになったのだ。夢を抱えながら、現実を生きるには夢に突き進めない、その葛藤こそが文学なのだな、と映画を観ながらそう思った。

 茶川林太郎、竜之介、淳之介。この3代に渡る親子の感情の起伏、思いやる心が、幾たびもあっしの涙腺を緩めさせる。どこかで親の愛情と判っていても、素直に感謝の気持ちを表現できない、その不器用さが、昭和の親子関係でもあったのだ。

 作者の仕掛けが判っていても、心が揺さぶられた。林太郎が残した、竜之介の著作を読んだ際の一言一言エールを書いた付箋の数々……。これでもあっしも人の親。重松清の「流星ワゴン」以来に、やられてしまった。歳をとったのかもな。

 間違いなく、シリーズ最高傑作だろう。

 2012年、東京スカイツリーが開業する。(残念ながら業平橋駅は改名してしまうが…)

 現代に生きる平成時代の親子も、新しい物語を紡いでいくはず。それが、少しでもこの時代のように物質の豊かさだけでない、本質の豊かさの物語であって欲しい。

 たとえわが子に憎まれても、本気で子どものために行動できる強い心。慈愛に満ちた物語であることを祈る。

 淳之介に、売れっ子作家の地位を譲った竜之介だが、このままでは終われまい。なぜなら、己に真摯に生きていく姿勢こそ、わが子に伝える最高の贈り物なのだから…。
     
                


                    「猫柳 夕陽に染まる 四丁目」
                                 海光

 
 幼い記憶には、かつて新吉原であった四丁目の夕日が残っている。

 幕末太陽傳とは一味違った、熱いモチベーションをもらうことができた

 

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