昨年のことを云っても鬼は笑わんだろうな
師走のとある週末、松弥龍さんの初出版のお祝い会があった。
同人【季節風】の先輩格でもある彼女。
一見控えめだが、豪傑ぞろいの同人にあっても負けない芯の強さがある。
どなたかのスピーチにあった。
年に一回、恒例の合宿道場。
あさのあつこ代表の分科会は幻のような高倍率を誇る。
そこには同じようにチャレンジして破れるもの、諦めるもの様々な裏のドラマがある。
松さんは、何日も前から更新される時間帯に、パソコンの前に陣取って待ち構えているという。
なんという執念。
これが何としても物書きとして世に出るのだ、という熱い思い。
この一念には正直脱帽だ。
松さん、おめでとう。
【ぼくとお兄ちゃんのビックリ大作戦】
著:まつみりゅう 画:荒木祐美
第4回森三郎童話賞最優秀作品(刈谷市主催)
作家として世に出るのに、何か文学賞を受賞してデビューというのが最も望ましい。
苦しい時期を耐えたことは無駄にならず、小説を書けなかった一年がある種ここに結実したんだと思う。
処女作に作家のすべてがある、とはよく云われる。
図書館で主に配られるというこの本。
松さんらしさが表れた児童書だが、彼女の本領はまさしくこれからだと信じる。
もちろん、彼女も判っているはず。
同人の集まりの帰り。彼女とお互いの作品の事、先の事(デビューの事)を話した夜があった。
松さん、よかったね。
新年明けて、松弥龍の新たな活躍が楽しみな年でもある。
【季節風】の聖地、中野で先輩方が選んだイタリアンは無制限の量で饗された。
ワインもピッツァも食べ過ぎてしまう。
松さんの話しに、お店のお兄さんもウルルとなっていた。
絵を描かれた荒木さんもこれがデビュー作だという。
みんな楽しく酔っていた。
素敵なお祝い会だ。
【ブルブルと部屋の暗がり見つめる夜】哲露
次々とデビューし、活躍する同人の先人たち。
そんな中でも、焦らず、気負わず、自分のペースで小説を書いていくしか道はないのだ。
仕事と家人の病などで睡眠時間が減り体力を低下させ、じつにしつこい風邪に見舞われた。
肺炎かと思うほど咳も酷く、苦しい五日間だったが、流感が陰性だったのが唯一の救いだ。
今日になり、ようやく平熱の35度台前半をキープ。
歳なんだろうが、つくづく健康なカラダが愛しいと思った。
皆さんもどうかご用心を。
暖かくなるまでに、体力とともに、少しずつ筆のほうも温めていきたいな