週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

金の花びら。

2015年01月02日 | ★江戸っ子エッセイ★



 明けましておめでとうございます。

 ご愛読の皆さま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げますm(__)m

 【花びらの浮かぶ水辺の温もりや】哲露

 と、堅苦しい挨拶はここまでにして、この写真は元旦早朝6時51分の様子。

 熱田宮で初詣したあと、

 日の出の時刻に大川にかかる桜橋に行ったが、ご覧の通り、東の空に雲がかかっていたのだ。

 お日様が顔を出すにはまだ時がかかりそうだ。

 長男と初RUN。スピードを上げて海へ向かう。

 芭蕉公、大鴨、子鴨に新年の挨拶をして隅田川大橋で折り返す。

 気温も冷えているが、強い北風が体温を奪っていく。

 走るほどに上がる代謝といい勝負だ。

 

 両国橋の大きな擬宝珠。

 その向こう、ご来光が天に伸びる。

 2015年がスタートする、初日の出。

 大川を飛ぶ清冽な大気を吸い込んで、心のうちに新年を祝う。 


 

 浅草寺前はすでにこんだけの人込み。

 各国の市井の人々が、推古天皇の時代の古刹を拝観していく。

 穏やかな朝だ。

 参道は走れないので、裏道を走って抜ける。

 

 冷えきったカラダを、温かい湯船にひたす。

 じんわりと熱い血が蘇ってきた。

 鳥と三つ葉の雑煮、今年は椎茸を入れた。

 飲んだあとの汁物は五臓六腑に沁み入る。

 おせちと並ぶ、晦日に焼いたローストポークが大好評だ。

 豚は腹に溜まるから、食べ過ぎに注意ね、という言葉も消されるほどの食欲。

 若さは、食い気だ。



 暮れに、転勤中の広島から戻った友人に会った。

 特製ゴールド賀茂鶴という酒をもらう。

 すきやばし次郎で、オバマ大統領に安倍首相が供したという大吟醸。

 手に入り難い逸品を、ありがたく賞味した。

 桜の花を象った金粉がステキ。

 お正月から得した気分。

 H、ありがとね。

 

 正月恒例の初映画。

 チャウシンチーの西遊記は都心ではやっていない。

 話題の仏モノ【サンバ】を観に行く。 

 アフリカセネガルから出稼ぎにきた青年サンバをオマールシーが演じる。

 国外退去を命じられてもひたむきに生きようとするサンバ。

 移民強力ボランティアのアリスを、シャルロット・ゲンズブールが好演。

 キャリアで負ったうつ病をリハビリ中の彼女は、そんなサンバの笑顔と佇まいに興味を抱く。

 セネガルの話しは、絲山秋子が【北緯14度】に書いた。 

 貧しさ、食べ物へのこだわり、ユーモアと笑顔、伝統の打楽器に魅了された。

 この映画でもそれはかわらない。

 聡明で繊細な女性をとらえるセネガル。

 私は随分とカルチャーと思想が違うのだな、と思う。

 文化の違い、考え方の違い、感性の違い、違うものを認め合う寛容が描かれている。

 人の不幸の上に成り立つ幸せには、切ないほどの逞しさが必要だ。

 侘び寂び、鎖国の民にも、見えざるモノが突きつけられている現実がここにある。



 日比谷、銀座も閑散としている。

 高級ブランドのショーウインドーだけが輝く。

 映画のように格差が叫ばれて久しい。

 だから言い訳もうんざりだ。

 やるべきことがはっきりとしたのだから、目指すものにひたむきになろうよ。

 この道の先に、きっと明るい未来がある。

 そう信じて、新年も上を向いて歩いていく