週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

オトナの遠足!

2014年12月03日 | ★全国蕎麦屋飲み好き連★




【灯し火や夕焼け小焼け旧き町】哲露  地賞


 ずっと行きたかった町。

 町と言っても、ここは造られた町。言ってみればオトナのテーマパークだ。

 三丁目の夕日みたいでしょ?

 季節ごとに夏祭りやら、正月飾りやら様々な装飾がされるとか。

 広大な小金井公園のなかに、旧い建物が移築されて形成されているのだ。

 226事件で射殺惨殺された高橋是清の豪邸もある。えらいもんでっせ、みなさん。

 敷地面積は約7ヘクタールってわからんよね。とにかく広いのよ。

 江戸から昭和の初めまでに建てられた30棟の復元建造物がたーくさんあるわけさ。

 

 これは伊達家の立派な冠木門。

 門番の控え所も立派やった。

【踏みしめし落ち葉の冷たき音ひとつ】草露


 
 
 私の地元にある日本最古の居酒屋の旧い建築物だす。

 その名も鍵屋。

 いかにも鬼平に出てきそうでしょ?

 根岸にあるその店には、銅製のチロリや昭和の古看板があって味があるのよ。

 ただね、女子だけでは入れんのさ。

 どうしても行きたいって女子は、どうぞ海光まで言うて。

 いつでも同伴いたしまっせ。



 懐かしい六角形の交番。

 夕刻にはコスプレ姿のおまわりさんが立って、お客さんのカメラ攻めに遭ってましたわ。

 この時代のおまわりさんは、町の正義やったと思う。子ども心だからそう思ったのかな。どうなんやろ?

【さざんかの花のこぼれや冬支度】優女 同地賞 




 デ・ラランデ邸にて、ドイツ麦酒で乾杯。

 言わば地ビールやね。

 癖のある味、癖になる味。



 その名もピリ辛ジャーマンライス。

 一緒にいった優女さんが怒って?いたが、どこがジャーマンやねん!

 でもね、ピクルスやヨーグルトもついて、ビールのツマミには最高どした。



 和傘がぼんやりと彩る商家。

 素敵ざんす。



【キャンドルの光の中で温もり五つ】瑞芭蕉

 本物のローソクは、太古の魂を揺らし、現代にあってはそれだけで贅沢なものに映る。

 初デートできたら、きっとあの娘もイチコロやね。



 紅葉とライトアップがこの三連休だけのイベント。

 屋台で熱燗のワンカップ、ホットワインを手に入れ、豊潤な時間を過ごした。



 〆はやっぱり、武蔵野の蕎麦やろ。

 五日市街道沿いの【田吾作】まで歩く。

 熱燗とチェイサーのビール、蕎麦屋のツマミでグビッと。

 ここの姐さん(若いけど)のあしらいがなんとも粋で、笑顔に吸い寄せられた。

 会社の近所やったら、間違いなく通いますわ。

 この後もまた、東小金井でワイン三昧やったんやけど。

 タクシー反則乗りをしたせいか、武蔵小金井でなく、東小金井へ降ろされる。

 やられたわ。

 夕刻から同人の姫と、音楽業界の経営者になった私の従兄弟も加わって、ここで句会を。

【小金井は武蔵と東で大違い】樹音  天賞
  
 全員の気持ちを、この素直な一句が代弁してくれた。

 従兄弟が天賞でがす。 

 懐かしの地、小金井は天変地異のごとく変化していた。



 ゆったり、まったりと回るオトナの遠足は、私の酸素であり、水である。

 久しぶりに味わう中央線の長旅、あの頃はよう通ったな~。

  

 望郷とノスタルジーの漂う駅とバス停。

 金のない学生は歩いて通ったとです。

 秋の全そ吟行。心許せる仲間との時間はかけがえのない宝物だね。
  
 明日からまたがんばろっと