週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

江戸の売り声、聴く♪

2014年05月10日 | ★江戸っ子エッセイ★



 GWから地元浅草で観光まつりが行われている
 
 祭りといっても一年中祭りのある賑やかな町。来週から三社祭もはじまる。

 全部体験するわけにはいかないけど、宮田章司さんが生出演とあっては是が非でも行かねばなるめえ。



 宮田さんは江戸売り声の伝承を芸としておやりになっている。

 芸能生活60年とのことだ。こりゃ、すげえこってす。

 某版元の元編集長からCDをお借りしたことがある。それが宮田さんを知ったきっかけ。

 調べるとNHKにもご出演なさっていて、テープやCDに音源を残されている。図書館で借りては聞く。家人につまんないと言われながらも、宮田さんの声に、遠きお江戸の裏店に思いを馳せるのだ。

 間違いなく、私の小説には欠かせない大切なものをくださった。



 仲見世の煎餅屋、ご兄弟で働いていたエピソードも聞けた。

 若かりし宮田さんはそれでは物足りなく、芸の道にはいる。

 そこで、運命のひと、坂野比呂志と出会う。

 病床についた坂野さんから「芸を継いでくれ」と。その遺志を固く守り、寄席の芸として江戸の売り声をこの歳まで続けられている。

 芸の合間のお話の端々に、血のにじむような修行、勉強の片鱗が見えた。 

 まさに、継続が芸を昇華させたのだ。



 生の売り声にうっとりと、居残って寄席の映像を観ていたら、ご本人が近くにお座りになった。

 私にしては勇気をもって話しかける。拙いが小説を書いていること、曾祖母の面影などをぽつぽつと話すと、かつて宮田さんが訪れた向島百花園の女将さんの粋な台詞を気さくに教えてくださった。

 思わぬ幸運に、心がうち震えた。



 「皐月花かねて聴きたし西風に」哲露

 宮田さんは、往時を生の声で伝承している。

 私は私のやり方で、文字で文章で、江戸にあった人情の欠片を伝えられたら本望だ。

宮田「何かリクエストありますか?」

海光「冷や水売り~」

 目の前の宮田さんにお願いした。

宮田「へえ、お客さん、よく知っているねえ」

 とおっしゃる。

 その昔、向島には上水の水が届いていなかった。そこで大川の上流などから冷や水売りが舟に乗ってやってきた。もちろん、冷蔵設備のない時代のこと。錫の器に水を汲んで、唇が、ひゃっこい、と感じるのが庶民の暑気払いの一興だった。

 こんなことがあるから、浅草を離れられない。

 宮田さんは末広亭や鈴本演芸場、浅草演芸ホールなどで芸を披露されている。

 お元気なうちに、またお目にかかりたいと思う。

 宮田さん、ありがとう存じました。

 やらねばなるめえ


  

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