週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

大根マラソン

2014年03月09日 | ★江戸っ子エッセイ★


        三浦海岸にて

 先週予告してしまったのでご報告

 4年ぶりに戻ってきた三浦海岸。

 名物の三浦大根が記念撮影よろしく鎮座している。

 この時期の三浦の天候は相変わらずで、どんよりと肌寒い。

 関東の山では雪の予報も出ているほど。

 日中の気温も5.7℃までしか上がらず、氷雨による湿度は83.4%。北北東の風7.4mにプラスした海風がランナーと観客をなぶる。

 

 ハーフマラソンは昨年1月国立の新宿ハーフ以来。

 絞り切れていない体重に不安を憶えながら入念にストレッチ。

 千葉真子さんの元気な声とともにスタート!

 80mの高低差が続く三浦海岸から城ヶ島へのアップダウン。

 21.1kmのこの大会の締め切りは140分。結構厳しいのだ。


 

 坂道を登ると、大根畑が広がる。

 雨のなか、沿道の応援は温かい。

 子供たちの声に応え、冷えた体を鼓舞して走る。

 4年前の記憶以上に厳しい登り下りに、10km過ぎて腿は上がらず 、ふくらはぎはパンパンに張ってきた。

 やっぱりしんどいレースだ。

 海から吹き上げる強風、ひょうが交じった雨が横殴りに体に当たる。

 最後の登りをスパートもできない。

 そのままフィニッシュ!

 ワーストタイの1h54min、どうにか2時間を切れてホッとする。


    シーパラダイスのペンギン君

 ゴールの海岸に、たくさんの物産、露天が並ぶ。

 湯気の立つ料理に釣られ、走り終えたランナーたちが我先にと並ぶ。

 かじかんだ手で記録証をもらい、大根と記念Tシャツをもらった。

 動いている間はさほど気にならなかったが、寒風に体が固まる。

 金沢八景シーパラダイスのペンギン君にはちょうど良い気候なのかもしれないな。

 
     マグロ大根

 ほうとう鍋、まぐろラーメン、わかめスープ、美味しい料理がたくさん出店していた。

 だが、私の食欲は低温と疲労で減退している。

 小学校の体育館で着替え、ようやく人心地ついた。

 駅前にあった露天、三崎名産のマグロと煮込んだ大根が芯から温めてくれる。

 通りにオープンしたばかりのベーカリーがイーストのいい香りを立てていた。

 それらを買い込んで、ビールと一緒に京急で三崎へ。

 混雑を避け始発で引き返す作戦だ。


         河津さくら


「波しぶき凍てつく頬に花便り」哲露

 
 三浦海岸の駅前。

 河津桜の濃い紅色が目に鮮やかだ。

 ちょうどさくら祭りの時期だという。

 車窓から線路沿いに続く、桜並木。

 今年初の花見が、達成感と疲労感の心に沁みる。

 一緒に走った先輩が1分先にゴール。50歳を越えてなお進化する肉体に感嘆。

 仕事で走れなかった友人と、近いうちに慰労会が開こうと思う。

 それにしても雪にならなくてよかった。

 この調子でソメイヨシノは咲くのだろうか。

 封建から楽しまれる墨堤の桜。

 大川の花見を思い浮かべ、華やぎの春を願う今日この頃である