2012年3月31日付の拙ブログにて紹介した、熊澤南水さんから小包が届いた。
樋口一葉の朗読音源がつまったCDを頂いたお礼に、いくつか商売道具の本を送った。そのお礼にしては嵩があると思いきや、懐かしいアナログテープが入っていた。
嬉しいことにあっしの拙い創作を吹き込んでくれたのだ。
ところが、肝心のハードがない。CDラジカセも使わないと捨ててしまって久しい。
しばらく友人、先輩に聞いてみたがやはり時代の変遷激しく、なかなかに聴けない。
そこで、アナログテープからデジタル音源に変換する機器を購入したのだ。
メタルとか懐かしいですな。
◇拙作『下町長屋物語 -おかよの恋-』 by 熊澤南水朗読
http://www.myspace.com/1005079018
音質は雑音が交じっているが、それが時代を感じさせてまたよいように思う。
拙い文章も、プロの朗読にかかると魔法のように変じるから不思議だ。
ひとりベッドに横になり、目を閉じる。
文化文政の江戸新吉原の清掻の音、色街の嬌声が部屋を満たしていく。
空気が湿り気を帯び、心が広がり豊かになった。
南水さんとのありがたい出会い、粋な計らい。津軽女の江戸住まいの極み。
人は所詮孤独なもの。でも、一人で生きているのではないのだ。
ありがてえな。
ご愛読の皆さんもよろしければ聞いてやっておくんなさいまし。
『江戸住まい 長き苦労も 芸の肥え』
海光
熊澤南水作品CD『十三夜と大つごもり』
3月の朗読会