ノスタルジアが からからと

できるかぎりたんたんと記録してゆきます。

締め切りの日

2006-03-17 23:35:09 | 即興詩
18年前 建築学科の学生だった
生まれて初めて 自分で建物を設計した
締め切りの前の日 徹夜して仕上げた

自分が思う理想の空間を描いた
生まれて初めて
自分の思いの全てが込められている気がした

大学に行って提出をした後 安アパートに戻る
涙が出てきた
声を出して泣いた

あれから18年たった今になっても
あのとき泣いた意味が分からない
悲しかったわけでもなく
嬉しかったわけでもない
ただ単に一仕事終えた後の泣きだった

いつも仏頂面で 苦言ばかり吐くあの人が
完成パーティの挨拶で急に泣き出した
そうだよ これはあんたが創ったんだよ
と 言ってあげたかった
いえいえ あんただけではなく 
僕も一緒に創ったんだけど ね
でも僕はあんたと違って 
泣くほど創ったわけでもなかったかも

人は人生の中で 何度かモノを創る
人生で何度あるのだろう?
本当に「創った」と実感できるとき
多分 泣く