寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
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(第2864話) まさか

2019年11月03日 | 出来事

  “一昨年の秋、出かけるために着替えをしていたとき、左手にいきなり電気が走ったような不思議な感覚が生じた。自分の体にいったい何か起きたのか理解できなかったが、これが「まさか」の始まりだった。「まさか」の原因は脳出血。まさかの左半身のまひ、まさかの入院生活。しばらくの間、現実を受け止めることができず悶々としていた。
 ようやく前に進めたのは、家族や友人の支えや励まし、看護師さんやリハビリの先生が掛けてくれた優しい言葉とご指導のおかげである。
 考えてみれば、私以上に「まさかまさか」の連続だったのは、主人の方であろう。私の入院によって、まさか包丁を握ることになろうとは、まさか掃除機をかけることになろうとは、などなど。家事のほとんどが主人の仕事となってしまった。主人の後ろ姿を見て、感謝感謝である。
 できなくなったことを嘆いていても前に進めないので、一つでもできることを増やしていきたい。これから先、できることなら「まさか」には出会いたくないが、どのような「まさか」が待ち受けているかは分からない。何かあっても、何とか乗り切っていきたいと考えている。”(10月14日付け中日新聞)

 岐阜県白川町の榊間さん(女・73)の投稿文です。またまた図れない人生の話である。まさかの脳出血である。検査などで何かその恐れはあったろうか。体の調子などその兆候はあったのだろうか。全くなくて、いきなりだとすると本当の「まさか」である。徐々にであればその気構えも、対応もある。しかし、血管が破れたり詰まったりは、内部的には徐々に進んでいただろうが、麻痺は一瞬にして起こる。動いていた手や足が一瞬にして動かなくなるのである。そのショックは大きい。でも起きてしまったものはどうしようもない。受け入れ、徐々に快方に向かうように努力するより仕方がない。そして、周りの人も状況が一変する。榊間さんの場合、ご主人が主婦とならざるを得なかった。これは普通のことであろう。ボクも妻が倒れれば同じである。
 ボクにはよく分からないが、今はCTやMRI検査などでかなりことが分かるようだ。早めに見つかればある程度の予防もできるである。ボクは3年前、がんだと言われたときに、一通りの検査を受けたはずだ。その時、他に問題があれば伝えられたと思うし、対応されたと思う。事実、他に分かったこともあった。心配し始めたらきりがないが、ある程度のことはしておきたいものだ。


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