寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2876話) センダンの老木

2019年11月27日 | 出来事

  “故郷の小川の岸辺には私が子どもの頃から一本のセンダンの木があり、小さな橋の上に枝を広げていました。その木が最近、全体的に茶色くなり枯れかかっているようで心配していました。しかし、よく見ると枝に新芽があってホッとしました。
 その昔、近所のおじいさんから聞いたことですが、人が死ぬと棺おけにセンダンの枝を1、2本入れたそうです。遺体の腐敗を防ぐとともに霊を慈しむという意味もあったようです。私は見慣れたこの木にそんな役割があるなんて思いもせず感動しました。
 センダンの匂いは強いですが、心を癒やしてくれ、素朴ながら優しさや懐かしさを感じられる木だと思っています。新芽の成長を見守っていくつもりです。”(11月7日付け中日新聞)

 岐阜県多治見市の加藤さん(女・88)の投稿文です。センダンの木と言う言葉につられて取り上げた。ボクの通った小学校にはセンダンの大木が校庭にあった。後には多くの木が植えられたが、当初はあまり木はなかった覚えである。それだけにセンダンの木はよく覚えている。校庭東北部の砂場の近くであった。小学校の数少ない記憶である。
 センダンを少し調べてみる。『幹は直立し、樹高は15~30mほどになり、成長に伴って樹皮は縦に裂ける。9~10月ごろに熟すクリーム色の大きな実は、枝先に鈴なりにでき、遠目からも目立つ。その姿は数珠がたくさんあるように見えるため、「千珠」と呼ばれ、それが変化してセンダンとなった。「栴檀は双葉より芳し」と、センダンは苗の段階から良い香りがするように、才覚のある人物は幼少時からそれを発揮するという意味で知られるが、本来これは熱帯アジア産のビャクダン(白檀)を語ったもの。』とある。そして、涼しげな枝葉が良好な緑陰を作ることから、校庭や並木に使われることが多い、ことも知る。ボクの通った小学校もこれに習っていたと言うことであろうか。
 投稿は庶民のいろいろな情報だけに、いろいろなことを思い出させてくれる。これからも気をつけて読み、いい話を紹介していきたい。


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