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寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3756話) 書棚の一隅

2024年11月15日 | その他
 “我が家の書棚に日本美術全集25冊が鎮座している。主人の給与から代金が天引きされていて一悶着起きたことを思い出す。昭和から平成期の日本経済の名残ではあるが、読まれた形跡はなし。並んでいるだけで悦に入っていた主の姿はない。「退職したら読書三昧だ」と古本を段ボール箱に買い込んでいた姿が目に浮かぶ。全集の1冊を手に取ってみるが、大きくて重くて持て余してしまう。処分しようと考えることは再々であるが、主人と本に申し訳なくて、今日に至ってしまった。
 秋風を感じるようになり、読書に時間を費やすのは今だと気付きました。白内障の手術で視力は回復、体の痛みむなし、頭脳は年相応。何より気力はまだ大丈夫。そう考えると目的ができ、なんだかワクワクしてきました。これでこの全集も本としての命が蘇るし、私にも忘れつつある日本の美を再認識させてくれるでしょう。読み終えるのに相当の時間を要するでしょうが、ゆっくりでもいいので読んでみます。
 手に取ると、古本のにおいも昭和のにおいに感じ、秋の感傷を深くさせます。私の指跡がついて、この本を読まずに去った主人も喜んでくれると思うのは自己満足かもしれません。これに火がついて読書の1年になったらいいな、と思っています。”(10月20日付け中日新聞)


 名古屋市の主婦・金子さん(77)の投稿文です。本の種類は違うが、ボクも同じようなことを体験している。発行の度に書店へ本をもらいに行ったのは、小学館発行の日本大百科全書である。昭和59年11月から昭和64年3月まで全25巻である。1巻7,800円である。高価であったが、楽しみであった。それをどのくらい利用したかと言われると、利用はしたと思うが余り確かではない。子供の頃本を買ってもらうとすれば小学生年鑑や中学生年鑑位であった。よく活用していたので、その延長線上であったろう。これは古本であるが、原色世界の美術という全16巻の本もある。この2つは今も居間の本箱にドンと置かれている。多分買った当時からこのままである。その他日本歳時記5巻や中国漢詩の旅10巻もある。そうした全集ものを買いたかった時期があったのであろう。この投稿文から久しぶり開いてみた。こうした類いの本はいつまでたっても見られるのである。写真を見ているだけでも楽しい。こうした楽しみを忘れていた。金子さんのように楽しみたい。



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