寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
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(第2778話) つえデビュー

2019年04月26日 | 知識

  “左膝に痛みが出たのが一月終わり。二月初めに受診したところ、膝の骨の壊死と分かった。つえを使って膝の負担を減らすように言われた。三週間後に再び受診。まだつえを持っていない私を見て、先生がすぐ使うよう言われたので、翌日購入した。でも次の日は雨。その翌日は自転車で買い物と、なかなか使えない。
  意を決して次の日、恐る恐る使ってみる。つえと手と足の動きがうまくかみ合わない。えっ、つえって難しい。体が痛くなった。二日目、昨日よりはぎごちないけど使えている。やはり体が痛い。三日目、体が斜めに傾いている私を見た友人が「つえに力を入れず、普通に歩くようにして力を分散させるんだよ」と教えてくれた。四日目、デパートヘ買い物に行った時、つえがあると荷物は片手でしか持てないことが分かった。そんな当たり前のことに気付かなかった。友人が「ひとつ賢くなったね」と笑った。  だんだん慣れて、階段の上り下りも、なんとなくスムーズになった。時々、つえと同じ方の足が一緒に出て、「あれっ」と思うけど、その都度修正している。手術をしないで済むよう、頼りにしてますよ。つえさん、お願いね。”(4月8日付け中日新聞)

 名古屋市の主婦・川上さん(68)の投稿文です。体験して初めて知ることは多い。この話で杖もそうであった。使ってみて、その難しさを知った。不便さも知った。杖を使う人の多くは体が不自由である。その上の杖であるから不自由な訳である。でも、その不自由な体を助けるのである。上手に使わざるを得ない。
 こうした体の補助具は車椅子を始めいろいろ開発されている。今では重いものを持つための補助具もある。ボクは今のところ何のお世話になっていない、と思ったが、考えてみればメガネも立派な補助具である。中学生の時からお世話になっている。もう体の一部である。老いるほどに補助具に頼ることが多くなろう。やせ我慢をせず、上手に使うことも必要であろう。


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