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寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3831話) 完全再現

2025年04月23日 | 行動
 “「この家族写真、完全再現して撮ってみない?」。実家に帰ったら、たまたま弟も居て、久しぶりに家族4人が集まった。弟が持っていたのは、28年前の1997年に撮った家族写真。若い父母、その後ろで笑っている20代の私と弟。たぶん結婚記念日に撮った写真。テレビとカーテンの位置は、昔と同じだ。テーブルも同じ場所にセットしよう。ソファはないから、写らない位置に片付けよう。テーブルの上にあるコップとお皿、まだあるよね。この陶器の人形もどこかにあるよ。似た色のテーブルクロスをかけて、ワインとケーキを置こう。
 父はワイシャツ、母は似た色のカーディガン。弟の首に、なんかタオルが巻いてるよ、持ってきて! 私が抱いていた猫のクマは天国へ行っちゃったから、ぬいぐるみにしよう。
 古い写真と見比べて、同じ並びを確認し、目線も同じ、笑顔も同じになるように練習して。何時間もかけて、何度も撮りなおして、やっと完成した。すっかり年を取った父母。丸々と太った、おばちゃんの私。髪の毛が減っちゃった、おっさんの弟。それでも変わらないのは、バカバカしいほど一生懸命で、おかしくて、笑顔になっちゃう家族。さて次の28年後、家族4人集まって撮れるかな。親は90代、ぎりぎり何とかなる!”(3月25日付け中日新聞)


 愛知県犬山市の主婦・秋山さん(51)の投稿文です。これはまた面白い発想である。28年前に撮った写真の構図を再現して見ようというのである。人が並ぶだけではない。ものの配置も復元するのである。やっているうちに夢中になる。バカバカしいほど一生懸命で、と本人も言ってみえる。こういうことに夢中になれるというのは、改めて幸せを感じられたであろう。次はまた28年後と言われる。10年後でいいだろう。何回もやればいいのである。
  話はあまり似ていないかもしれないが、小学校の同級生で母校に桜の木を寄贈した。昨年12月24日に植え、今年4月1日に同窓会を開き、食事を終えた後、小学校に行き、この桜の前で写真を撮った。桜はまだ植えて間もないので、少しの花びらがちらほらであった。これから桜は毎年成長してどんどん大きくなるだろう。ボクらはどんどん衰え、今年集まった12人がどんなになっていくだろう。出てこられなくなる人もあろう。醜い姿になるかもしれない。でもボクは、毎年この前で写真を撮ることが楽しみになっている。



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