寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2771話) 愛せる名前

2019年04月11日 | 意見

  “「王子様」という名の山梨県の高校三年生か改名した。「唯一無二の王子様のような存在」との母親の思いが名前の由来だという。幼いときは「かわいいね」と言われるかもしれないが、中学生や高校生になり自己紹介する際の本人の気持ちまで彼の親は考えたのだろうか。
 私の名の「礼子」は「礼儀正しい子に育つように」と付けられたと亡き母から聞いた。私は今もその名がとても気に入っている。わが子の名前は夫と一緒に考えた。リーダーとして和やかに人をまとめてほしいとの願いを込めて長女は「美和」。「りょう」という音の響きが良く人からも呼びやすいだろうと思って長男は「亮」とした。大人になった彼らに名前に不満はないかと尋ねたら、答えはともに「満足」だった。「キラキラネーム」も珍しくない昨今だが、いくつになっても愛せる名前をプレゼントするのが親の責任だと思う。”(3月28日付け中日新聞)

 三重県東員町の主婦・中村さん(68)の投稿文です。多くの親は子どもの名付けを一生懸命考えるものである。名前はことある毎に毎日、言葉に発し書くものである。そして、一生続くものである。名前ほど使うものは他にはないだろう。それ程に重要である。さて親は、一生懸命考えたもののどこまで思いをはせられたのか。 先日孫の卒業アルバムを見ていた。何十人という中で、戸惑いもなく読めたものは数人であった。ほとんどが確かめなくてはならなかった。そして、最初から間違いなく読める人はないだろう、と思う人がかなりあった。ボクには昨今の名付けが疑問に思えてならない。名前は自分が使うだけではない。相手も使うのである。ボクは8割方の人は間違いなく読める、そしてそれ程の苦労なく書くことができる、これが基本と思っている。
  さて「王子様」である。王子様は普通名詞である。固有名詞とは普通思わないだろう。手紙のように様を付けたら「王子様様」となってしまう。ボクでも改名したくなる。実はボクは小学2年の時に改名している。16名ばかりの同級生の中に漢字は違うが発音が同じ人が3名いた。また転居したすぐ近くに全く同姓同名の人がいた。父は随分苦労して改名したようだ。新しい元号は「令和」と決まった。「和」が入っている名の人が随分喜んでいるようだ。ボクは改名の結果「和」が入った。父は先を見通していたのだろうか。


コメントを投稿