goo blog サービス終了のお知らせ 

寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3810話) 配達員さん

2025年03月08日 | 出来事
 “わが家はマンションの10階にある・そのマンションのエレベーターのリニューアルエ事があり、10日間、階段を上らなければならなかった。これが思いのほか大変だった。ともに還暦を迎える夫婦である。休憩をしながら、息も絶え絶えになってわが家にたどり着く日々だった。工事前、心配性の妻は、いろいろと準備をしていた。その一つに新聞販売店への連絡があった。配達は1階の集合受け箱に入れてくれればいいと電話をしていた。私はそんな妻をただ感心して見ているだけだった。
 いよいよ工事が始まった次の日の朝、玄関の扉を開けると、いつものように新聞が入っている。配達員さんは、私たちが寝ている間に、わずかな電灯に照らされた階段を10階まで上がり、新聞を届けてくれたのだ。うれしかった。連絡がうまく伝わらなかったのか、仕事に手を抜かないプロ意識なのかと、妻と話をしながら、届けられた新聞を丁寧に読んだ。それからも毎朝、新聞は届けられた。
 工事終了日の朝、妻は配達員さんへ感謝のメッセージと、ささやかなプレゼントをドアにかけておいた。受け取っていただいたようで安心した。一度もお会いしたことのない配達員さん、本当にありがとうございました。明日からはエレベーターが使えますよ。”(2月12日付け中日新聞)


 愛知県豊田市のアルバイト・正田さん(男・61)の投稿文です。ボクは高層住宅に住んだことがないので、実感としてそのメリットもデメリットもよく分からない。10階の生活、エレベーターなくしてほぼ無理であろう。そのエレベーターが10日間ばかりとはいえ使えない。そして新聞配達員である。仕事とはいえ、この上り下りは大変であろう。そこで、正田さんは、1階の集合受け箱でいいと、連絡された。ところが毎日玄関に届いたと言われる。この心遣いは貴重である。人間性の表れである。ボクが思うに、多分他の階にも配らねばならない家があったと思う。正田さんに言われても、気持ちだけ受け取って配られたと思う。
 そして正田さんは、お礼の文とプレゼントを贈られた。心温まる話である。ボクはほとんど毎日5時に新聞を取りにいく。時には4時半以前に行くときもある。でも入っている。こんなに早いのか、感心している。お会いしたことはない。今の時代高齢者の方ということも可能性大である。いつまでも続いて欲しい仕組みである。



コメントを投稿