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寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3811話) 目先の利益より

2025年03月10日 | 出来事
 “病気で入院した夫の快気祝いにと三重県に住む次男夫婦を誘って岐阜県瑞穂市のすし店に行った。エビやイクラといった海産物をおいしくいただき、主賓の夫は大喜びだった。支払いを済ませ、帰途に立ち寄った喫茶店ですし店のレシートを確認したら、そこで食べた2品が漏れていた。私は良心がとがめ、すし店に急いで戻った。すし店長の男性は、不足分を受け取った上で、それとほぼ同額の食事券を私たちにくれた。そんな気遣いに私も夫もうれしくなった。
 これこそがまさしく今は亡き父が口癖のように言っていた「損して得取れ」につながるのではなかろうか。目先の利益より、信頼関係を大切にしていきたいとの意を、私は強くした。”(2月13日付け中日新聞)


 岐阜県揖斐川町の主婦・国枝さん(80)の投稿文です。これはまた良い話である。食べたお寿司のレシート漏れに気づいて、わざわざそれを伝えに行かれた。そしたら、店長はほぼ同額の食事券をくれたという。お互い、感謝の気持ちが溢れている。こういう人達の集まりだったら、世の中どんなに過ごしやすいだろう。ボクは感心するばかりである。
 ボクもこんなレシート漏れのことはあったと思う。何の時、いつのこととは覚えていないが、ないはずがない。相手は気づいていない。しめしめと、そのままにしたと思う。その場で気づいたらまだしも、ボクの性分からして戻ってまで伝えに行くとは思えない。でもこうした話を聞くと、戻るべきであろう。そうすればお互い気持ちがいい。「損して得取れ」と言う言葉は、この場合適切ではないと思うが、お父さんの口癖を伝えたかったからであろう。「正直の頭に神宿る」「正直は一生の宝」と言う言葉もある。