寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3793話) コロリ観音

2025年02月02日 | 出来事
 “初詣は、まず地元の氏神様に詣り、次にその年の恵方の神社に詣ることにしている。36年前、現住所に引っ越した最初のお正月、恵方は北だった。車で7、8分のところに、鳥居と祠だけの小さい神社さんがあった。だが、名前がわからないので、ご近所で聞いた。「あぁ、あそこか。あそこは縁起が悪いで詣らん方がいいで。詣った人はコロッと死んでしまうんや」
 えーっ、今からローンを払っていかなあかんのに、コロッと死ぬわけにはいかない。くわぱら、くわばら。というわけで、別の恵方の神社さんに初詣に行った。
 ところが、最近その神社の前を車で通ったら、赤い旗が数本立ててあり、旗には「コロリ観音」と書いてあるではないか。そうか、長患いしたくない人が「死ぬ時はコロッと死にたい」とお詣りするのか。36年の間に、縁起の悪い神社は、縁起の良い神社に変わっていた。神社の評判が180度変わるくらいだから、この娑婆世界、何が起こっても不思議ではない。神社の神様も、人間は都合の良いことばかり願うと、苦笑しておられるかもしれない。願わくば、天災と戦災だけは起こらないようにとお願いしよう。”(1月11日付け中日新聞)


 福井県越前市の玉木さん(女・76)の投稿文です。縁起の悪い神社と言われていた神社が、いつの間にいい神社に変わっていた、これはまた面白い話である。自分の都合のいいように解釈する、本当に人間の理屈など全く自分勝手なものである。神様でさえこんな扱いであるので、他のことなら尚更である。これは不謹慎な言い方かもしれないが、ボクはこれでいいと思っている。迷惑を掛けてはいけないが、そうでなければ、いい気持ちになれればそれで良しである。ストレスを貯めず、気持ちよく過ごす、高齢者には特に必要である。それがまた周りの人のためになる。やれることをする、やりたいことをする、そのためには神様も利用する。神様はそんな些細なことで怒りはしない。日本には八百万の神様がいる。どこかの神様はきっと救ってくれる。