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てらまち・ねっと



 近づく裁判員制度の開始。
 市民には、疑問や不安があるほか、専門家から見ても問題点が多いという。
 だから、今でも反対運動も続いている。

 典型は、自分が参加した裁判で、意に反して多数決で「死刑」と決定したら・・・
 強姦事件では、裁判員による「セカンドレイプ」も心配されている。

 私は、裁判所には縁があるし、ここの自治体の首長の汚職事件が続いたので、刑事事件も時々傍聴してきた。
 そんな時、他の刑事事件の法廷に接することもある。

 以前、信頼しているある弁護士が「今の刑事裁判は、問題がいっぱいある。だから、問題は多いけど、新しい裁判員制度になって『少しでも変わること』に期待するしかない」ことを話していたと書いた。
  1月30日のブログ ◆裁判員/残虐証拠の扱い 大きな課題に

 ともかく、私たちも問題点の指摘にはしっかりと接して、認識を深めておきたい。

●「こちら特報部 裁判員制度がわからない 性犯罪事件に懸念
 (上) 被害者問い詰めかねぬ 世間常識に隠れた偏見 
       『被害届 出しにくくなる』」/東京 2008年11月25日
●「(下)被害者問い詰めかねぬ 世間常識に隠れた偏見 
       『女性の人権 配慮抜けている』」 / 同
●カウントダウン裁判員制度:施行まで113日 
       「セカンドレイプ」心配/毎日2009年1月28日

●さいたまで弁護士有志ら裁判員制度廃止求め集会
  内容相談できず “お客”扱い懸念 東京 2009年2月16日

 最後には、各地の反対運動のことの情報。
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●「こちら特報部 裁判員制度がわからない 性犯罪事件に懸念(上) 被害者問い詰めかねぬ 世間常識に隠れた偏見 『被害届 出しにくくなる』」  東京新聞 2008年11月25日
 裁判員制度をめぐる議論で素通りされた課題がある。レイプなど性にまつわる犯罪だ。泣き寝入りしがちな被害者たち。法廷で市民の前に姿をさらす心理的圧力や尋問によるセカンドレイプ(想起による精神的苦痛)の恐れは一段と高くなる。「市民感覚」という世間常識も偏見をぬぐえるとは限らない。「裁判員制度が告発を阻害しかねない」という懸念の声も上がっている。(田原牧)

 「(法廷で)一般の人たちにあれこれ聞かれると思っただけで、 被害届は出しにくくなる」。自らの性犯罪被害を実名で語っている小林美佳さんは顔をしかめた。

 小林さんは八年前、男性二人組に襲われ、性的暴行を受けた。事件は未解決で時効。今年四月、手記を出版し、電子メールでの相談を始めた。

 これまでセクハラ(性的嫌がらせ)を含め七百人の被害者からメールが来た。迷う相談者には、他の被害者の体験も含め警察や裁判所の対応をありのまま伝えている。

 警察では等身大の男性の人形を使って事件を再現させられる。裁判官に「よく平然と立ってられるね」「普通なら証人に呼んでも来ないよ」と言われた被害者もいる。ある被害者の高校生は警察官に「売春してたんじゃないか」と疑われた。

 「実際、被害に遭って警察に届ける人は一割。告訴が受理されるケースははるかに少ない。相談に返答すると、多くの人があきらめてしまう。加害者の弁護人や裁判官、警察官によるセカンドレイプが怖い。裁判員制度になったらもっとだろう」

 裁判員制度の対象犯罪には通常の強姦(ごうかん)は含まれない。だが、強姦致死傷や強制わいせつ致死傷などは入る。

 昨年の事件数に当てはめると別表の通り、扱う事件の20・3% が対象で、DV(家庭内暴力)絡みの事件を足せばそれ以上になる。

 しかし、裁判員制度をめぐる法曹界の議論で、性犯罪被害者やDV殺人では加害者にもなりうる女性への配慮が課題に上ったことはなかった。

 強姦は被害者が告訴する親告罪だが、強姦致死傷などは違う。
「それでも被害者が告発しない限り、発覚はしない」とNPO法人・全国女性シェルターネットの遠藤智子事務局長は指摘する。

 その告発は難しい。司法のシステムだけが理由ではない。「自分を被害者と自覚することは大変なこと。恋愛かも、酒に酔っていたのでは、と自分を懸命に肯定しようとする。世間のいう『傷もの』 を恐れる」。詳細を問われたことでPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した例もある。

 二〇〇〇年の刑事訴訟法改正で、法廷での被害者保護は進んだといわれる。裁判長の判断で加害者との遮へいや別室証言(ビデオリンク)も認められるようになった。

 だが、遠藤さんは「肝心な点は変わってない」と話す。「今も、 被害者は性体験を根掘り葉掘り聞かれがち。これは米国の一部の州では禁じられている。日本では問い詰められるのは被害者。『なぜ被害に遭ったの』という逆さまの追及は裁判員制度で増えかねない」

●「こちら特報部 裁判員制度がわからない 性犯罪事件に懸念(下) 被害者問い詰めかねぬ 世間常識に隠れた偏見 『女性の人権 配慮抜けている』」
 裁判員制度の“売り”の一つは「市民感覚の反映」だ。しかし、 ここにも危うい前提がある。「市民感覚=正しい」という決め付けだ。市民感覚は世間常識とも言い換えられる。それは偏見や差別とも無縁ではない。

 性犯罪被害を扱う裁判では従来、ジェンダーバイアス(性別の偏見)が問題視されてきた。

 一九九四年、東京地裁で無罪となった強姦致傷事件の判決があった。その判決文には「(被害者は)概(おおむ)ね上品な言葉遣いや態度に終始しているが、時折『おおぼけ(を)こいた』などという言葉を口走るなどして、いわば馬脚を現して」いるので、「慎重で貞操観念があるという人物像は似つかわしくない」ため、「(証言は)信用できない」と記されていた。

 DV事件などに力を注いできた角田(つのだ)由紀子弁護士は「被害者は水商売をしているので信用できない、女の手練手管、などと言い切る裁判官は少なくない」と振り返る。

 「夫の暴力にさらされてきた妻が夫が酒を飲んで眠った直後、殺してしまった事件がある。妻には境遇に同情する別の男性がいた。
判決では妻の『不倫』ばかりが責められ、その根にあるDVは振り向かれなかった」

 ところで、裁判官の女性比率は10・3%(〇六年)。裁判員制度になれば、より多くの女性参加が予測され、これが女性の人権への“追い風”になるとみる向きもある。

 だが、角田弁護士は「そうとは限らない。むしろ、先のような事件でも『自業自得』とワイドショーばりの論理が横行しそう。『世間常識』で司法の建前が弱くなる分、一段と厳しい状況になるのでは」と悲観的だ。

 札幌でDV被害者を支援するNPO法人「女のスペース・おん」 の近藤恵子代表理事も角田弁護士の予想に同調する。

 「DVに伴う裁判所の調停で、元校長といった経歴の女性調停員らが『何で結婚したのか』『子どものお父さんを前科者にするつもりか』と妻に譲歩を迫る場面をしばしば見てきた。女性裁判官が被害者女性に冷淡なケースも少なくない」

 法廷での女性の数が増えれば事態が好転するというほど、現実は単純ではなさそうだ。

 前出の遠藤さんも「大学で話したとき、聴衆の男性の一人は『一度や二度殴って何が暴力だ』と憤った。早稲田大学のサークルの集団レイプ事件の話では、女子学生の間で『ついて行った被害者の方が悪い』という反応があった。被害者たたきは男女で変わらない。
違いは当人の体験や性差別への理解次第」と話す。

 一方、ジェンダーと司法を研究する原田いづみ弁護士は「ジェンダーバイアスを理解する人が裁判員に入ることで、職業裁判官の偏見を是正できないか」と期待する。

 だが、そんな原田弁護士でも「弁護士の間でもジェンダーを意識する人はまれだし、いまは裁判員制度への実務の準備で手いっぱい」という。

 「実際、法曹界も裁判員のジェンダー構成(男女のバランス)については無視したし、乳児や幼児を抱える保護者の参加についても、託児施設を準備するより辞退の理由としてしまった。女性の人権への配慮という観点がまるで抜けている」

 現状でも女性への偏見が横行する法廷。偏見に無自覚な「世間常識」の重しが加わることで、性犯罪被害者の人権が押しつぶされかねない-当事者や支援者たちはそんな不安を募らせている。

 (メモ)
 ジェンダーバイアス ジェンダーは生物学的な性差(セックス) とは区別された社会的、文化的な性差を指す。そのバイアス(偏見)は男女の性格、役割の固定観念を意味する。「浮気は男の甲斐(かい)性」「家事や子育ては妻の役割」などはジェンダーバイアスに基づく意識の典型例とされる。
    ◇
 デスクメモ
 「なぜ、窃盗事件などから始めずに、いきなり重大事件を裁判員制度でやることになったのか、さっぱり分からない。窃盗事件から始めて、うまくいったら重大事件でもやるとか、工夫すべきだった」。実はこれ、検察関係者の意見だ。同感だが、当局者も分からない「改革」って、ほんとに改革?(隆)

●カウントダウン裁判員制度:施行まで113日 「セカンドレイプ」心配  毎日新聞 2009年1月28日
 ◇性犯罪被害の体験を実名で語る、小林美佳さん(33)
 裁判員制度が始まると、強姦(ごうかん)致死傷や強制わいせつ致死傷などの重い性犯罪事件の審理に裁判員が参加することになります。単に性的暴行を受けただけでなく、傷まで負わされた被害者は精神的にぼろぼろ。一般市民が参加する法廷で、さらに心理的なダメージを受ける「セカンドレイプ」が起きないか心配です。
 性犯罪被害の相談を始めてから、1年近くで1000通近いメールをいただいたが、多くは被害を訴えることもできない人たちで、これだけ被害が埋もれているのかと驚いた。

 警察に届け出ても、等身大の人形などを使って何をされたのかを再現しないといけない。さらに裁判で一般市民にまで被害を聞かれると思えば、届け出をためらう人が増えるかもしれない。2次被害を拡大させないための配慮が必要です。

 一般市民が参加すると、性犯罪の加害者に対する量刑が変わるかもしれない。ただ、過去に性的暴行を受けた私自身もそうだが、どんなに重い罰が下されても、つらい記憶や恐怖は決して消えはしない。
 被害者に必要なのは、周囲の理解と支え。司法制度改革だけでなく、性犯罪被害者をケアする仕組み作りも必要です。【前谷宏】

●さいたまで弁護士有志ら裁判員制度廃止求め集会  内容相談できず “お客”扱い懸念 
  東京 2009年2月16日 
裁判所前で、「裁判員制度を廃止しろ」などと叫ぶ集会参加者ら=さいたま市浦和区で
 五月から開始される裁判員制度を廃止しようと、弁護士有志らでつくる「裁判員制度はいらない・埼玉」が十五日、さいたま市浦和区の商工会議所会館で「良心的裁判員拒否宣言 埼玉集会」を開いた。東京弁護士会の佐藤和利弁護士が講演し、集まった約五十人が裁判員制度の問題点を考えた。

 講演で佐藤氏は「裁判員制度では無罪と思っても多数決で有罪判決を下さなければならないこともある。米国では公判後に人に審議内容を相談できるが、日本では人に話してはならず、心の傷を一生抱えることになる」と指摘。

 さらに公判前整理手続きを引き合いに出し「裁判員が出席しないところで論点整理が行われるため、裁判員は単なるお客さまになりかねず、裁判官の意見になびくだけになる」と話した。

 参加者らはこの後、さいたま地裁やさいたま地検前で、旗を掲げ「私たちは裁判員にならないぞ」などと、シュプレヒコールを上げながら浦和駅までデモ行進した。 (水越直哉)

●各地の運動  集会いべんとインフォメーション から 

■裁判員制度について考える学習会 &「沖縄の会」総会
とき◆2月27日(金)午後6時30分~

ところ◆ぎのわんセミナーハウス(宜野湾市志真志4丁目24-7
沖縄キリスト教センター内)/講師◆岡島実さん(弁護士)
主催◆百万人署名運動・沖縄の会(tel.098-958-5759 知花昌一)

■裁判員制度はいらない! 福岡大街宣
とき◆3月7日(土)午後1時~2時

ところ◆福岡市、岩田屋デパート前
主催◆市民のための刑事弁護を共に追求する会(tel.092-741-0410)

■ストップ! 裁判員制度 3・14講演学習会
とき◆3月14日(土)午後2時~4時

ところ◆大本島根本苑(島根県松江市北堀町6)
講師◆佐和洋亮さん(「裁判員制度はいらない!大運動」呼びかけ・賛同弁護士)/資料代500円
主催◆同学習会実行委員会(tel.090-4576-1161 福間)

■裁判員制度はいらない! 3・22千葉集会
とき◆3月22日(日)午後1時30分開会、4時~市内デモ

ところ◆ホテルプラザ菜の花3F(千葉市中央区長洲1-8-1、JR「本千葉」3分)
講演◆佐藤和利弁護士(裁判員制度はいらない!大運動・事務局長)/裁判員候補拒否者のお話ほか/千葉県弁護士有志の会からの発言・他/参加費500円(高校生以下無料)
主催◆裁判員制度はいらない!千葉集会実行委員会(tel.090-4017-8373 深谷)

■まっぴらごめん裁判員 4・11裁判員制度に断固反対する市民集会
とき◆4月11日(土)午後2時開会~4時30分、集会後デモあり

ところ◆埼玉会館小ホール(JR「浦和」西口8分)
基調報告◆立石雅彦さん(弁護士)
コント◆新劇人による「まっぴらごめん裁判員」
パネル・ディスカッション◆松永光さん(元大蔵・文部大臣、弁護士)、吉原忠男さん(埼玉県医師会会長)他/参加無料
主催◆裁判員制度に反対する埼玉市民の会(tel.049-226-6171)

●裁判員制度はいらない!   「全国の取り組み」

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