FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

欧州首脳会議でユーロ危機打開策の方向性が見いだせるのか。

2012-01-18 06:00:00 | 日記
春節モードに突入してしまい、会社の従業員も帰省して行き1/3になってしまいました。 筆者も今日の夕刻には浦東空港の近くのホテル迄移動する予定です。 半年ぶりの帰省ですが、日本はどんな変化が有るのか楽しみです。

<ユーロの動向から>
欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の格下げが発表されたが、マーケットに悪材料出尽くし感は広がっててはいないようです。 EFSFの資金調達コストは上昇する可能性が高く、今年前半の国債大量償還を乗り切れるかどうか、不透明感が強まっている。 さらなる格下げ懸念も強く、ギリシャ債務交換協議も依然難航しており、無秩序なデフォルト(債務不履行)やユーロ離脱のリスクが高まっているとして積極的なリスクオンのムードは乏しいようです。

EFSFの格付下げでもユーロが底堅く買い戻しが入っているが、自律反発の域は出ないという。 EFSFの実質融資能力を4400億ユーロに維持する方針を表明したが、格下げの結果、EFSFの資金調達金利は上昇する可能性が高まっています。 国債投資から発生する損失に対する保証が困難になり、EFSFの役割は小さくならざるを得ないと市場の警戒感は強まっているようです。

ここにきての問題は、ギリシャ当局と民間債権者による債務交換協議が暗礁に乗り上げていることも不安材料となっています。 3月に大量の国債が償還を迎える前に第2次支援策を確実にするため、今週末までに債務交換協議で大筋合意する必要があるが、債券の金利水準をめぐり意見が一向にまとまらない状況が続いています。

S&Pの欧州ソブリン格付け部門責任者モーリッツ・クレーマー氏は16日、ブルームバーグテレビに対し ”ギリシャは間もなく債務不履行となるだろう。 難航している債務交換協議の末に、解決策が見出されるかどうかは分からない” と指摘している点に注目したいところです。

仮に金利が、公的部門の債権者が求める4%以下のクーポンとなったとしても、これは民間債権者が75%を超える損失負担を受け入れることを意味する。 増資や資産圧縮など銀行は対応に追われることになり、景気には下押し圧力がかかりやすい状況となりそうです。

昨日は、S&PのEFSFの格下げで悪材料がとりあえず出尽くし感からユーロ・円も98円台に戻ってきましたが、これは一時的なものだと考えています。 来週から始まる仏・独・伊首脳会議、月末には欧州首脳会議と続いており、ここで結論の先送りが起きるようであると相場が一気に崩れる様相を呈しています。