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彦四郎の中国生活

中国滞在記

福建省泉州に行く➌—世界遺産「泉州」という町は人々を惹きつけるなあ‥華僑の故郷、媽祖信仰のこと

2024-12-31 04:48:24 | 滞在記

 泉州を訪れたのは今回が4回目となった。今回、泉州市の古街の何箇所かを巡ったのだが、この町には魅力的な場所が他にもたくさんある歴史的な古都だ。2015年12月中旬(学生の姉の結婚式に招かれて一泊二日)、2017年2月下旬(一泊二日の泉州旅行)、そして2018年9月上旬(日本の立命館大学大学院に留学する学生の、家族・親族一同50人余りによる壮行宴会に招かれて一泊二日)に泉州を訪れた際の場所も紹介しておきたい。(※今回巡った場所とは違うところ。)    

 泉州の町の別称は「刺桐(さしきり)城」。「刺桐」とは亜熱帯地方に咲くデェイゴの花のことで、遠くヨーロッパから中世時代にここを訪れた人たちは、この花のことをザイトンと呼んだ。

 関帝廟に近いところにある「中国で現存する最古のイスラム教寺」(「清浄寺」というという名前になっているが)。はるか古代の中国の唐時代に創建されている。

 「文廟」はイスラム教寺院からも近い。広大な境内には孔子が祀られている。この「文廟(孔子廟ともいう)」は、中国全土の都市などにある。泉州の町の魅力の一つは、華僑たち商人が造設したアーケードのあるレンガ造りの商店街。

 今回は2つの石塔は見たが、境内には入らなかった「開元寺」。菩提樹の大木が何本かあり、2月には日本の沖縄地方に咲く桜と同種の「緋寒桜(ヒカンザクラ)がたくさん見られる。また、金木犀(キンモクセイ)の香りが境内に満ちる。境内にある建物や柱などの各所に見られるレリーフはインド仏教的な雰囲気のものが多い。海のシルクロードの中国の起点港町となった泉州の寺院らしさを感じる。

 かっては泉州は城壁に囲まれた町「泉州城」だった。そして、現在では城門の楼が二箇所残る。そのうちの一つが「臨漳門」。

 「天後宮(てんごうぐう)」などがある天後路や聚宝街のあたりは、とても面白く、興味を惹かれる歴史的な建造物も多い。天後宮の前方には、「徳済門遺跡」がある。この「徳済門」は、泉州城の門のなかで最も正面に位置する大きな門だったようだ。付近の道沿いには、毎日、早朝から路上市場が開かれている。

 路上で商いをする農漁村の人たちの中に、髪に大きな花簪を飾っている女性たちもいた。この女性たちが「蟳埔簪花」の蟳埔女(ジンホーメ)だったのだ。2年ほど前から泉州に旅行に来る中国の女性たちに大人気となっている蟳埔簪花の、地元漁村の本物の人たちだった。蠣(かき)や渡り蟹(ワタリガニ)を売っていた。

 泉州天後宮を2017年に訪れた時、金門諸島(台湾が実効支配している。泉州や厦門[アモイ]から見えるくらい近い。)からパレードや演舞を披露する人たちが来ていた。とても可笑しみもあるユニークなパレード・演舞だった。毎年この泉州でこのイベントを行っているとのことだった。

 中国をルーツにもち、主に東南アジア諸国にて商人となっている華僑(かきょう)たちの故郷は、中国南部、東シナ海沿岸の広東省や福建省の町や農漁村。ここ泉州もまた華僑たちの故郷の一つ。国立華僑大学の泉州校区(キャンパス)がある。この大学には外国語学部日本語学科もあり、その日本語学科棟の建物の入り口には「日本学研究所」の看板も掲げられていた。

 華僑大学からほど近い大坪山というけっこう高い山の山頂に、巨大な鄭成功(ていせいこう)の馬上像が見える。その巨大さには圧倒される。鄭成功は日本の長崎の平戸で生まれた。(父は泉州出身の中国人、母は平戸藩の武士の娘。) そして、父の故郷である泉州に渡航。長じて、オランダに支配されていた台湾を開放したり、泉州や厦門を拠点として清朝政権に長く抗戦をしていた。まあ、中国人の歴史上の英雄の一人で、厦門にも巨大な彼の像がある。また、平戸にも像や鄭成功門なとがある。(※日本の人形浄瑠璃や歌舞伎などで「国性爺合戦(こくせいやがっせん)」の主人公として上演されている。中国の人たちは、鄭成功の母が日本人で、日本生まれであることをほぼ知らない。)

■媽祖信仰—中国の広東省や福建省と台湾の間の台湾海峡。この海峡の海の沿岸には媽祖信仰が伝統的に強く残されている。このため、この媽祖信仰は中国大陸の台湾海峡沿岸の人々と台湾の人々との精神的なつながりともなっている。「媽祖(まそ)」とは、海をいく船の海上安全を見守る女神(めがみ)のこと。海上をいく船の安全を空から見守る存在とされている。そして天後宮はその媽祖を祀る寺院で、福建省の台湾海峡沿岸の町にはこの天後宮がけっこうある。

 泉州天後宮には、海上をすすむ船の上の七福神を、その船上の空に飛天(ひてん)のように浮かび飛びながら、見守っている媽祖の姿が描かれている絵馬があった。また、この媽祖を敬う大きな祭典の写真には、蟳埔女たちが媽祖に祈る姿が映っていた。

※日本では、海上をいく船の安全を守るものとして「金毘羅山(こんぴらさん)信仰」がある。香川県(讃岐国)の金毘羅宮をはじめとして、日本の海の沿岸には全国各地にこの金毘羅宮がある。私の故郷である福井県南越前町の漁村では、近くに金毘羅山があり、山頂付近には金毘羅宮がある。私の祖父や父は漁業を仕事としていたため、毎年、村の漁業仲間たちとこの金毘羅宮に参拝に行っていた。

 

 

 

 


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