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彦四郎の中国生活

中国滞在記

中国の2024年、そして25年が始まった➊—2024年は、「給与支払いの遅延・未払い・大幅減額、リストラの嵐、就職難、そして「社会への報復」という言葉が並ぶ年だった

2025-01-08 10:45:27 | 滞在記

 大学の教学楼群教室。教室後方の小黒板には、2022年11月の中国共産党第二十回大会(習近平氏が3期目の中国共産党総書記に就任した大会)を礼賛し学ぼうとするイラストと文字が書かれている中国の大学の普通の光景。そして大学構内の各処には、2024年7月の3中全会(中長期の経済政策を決定する会議)が掲示されている。

 小学校から大学まで、そして公共施設などに昨年の11月下旬頃から急増した防護柵増加の光景。中国での無差別殺傷事件の多発など治安状況悪化に対応するための防護柵(バリケード)だ。

 先の見えない経済不況の深刻化、就職難、給料の遅配やリストラの横行などの嵐が吹き荒れた中国の2024年、そして2025年はさらに中国の人々の生活不安は大きなものになるかもしれないと、私も思う。給料の未払いや遅配、そして給与減額は民間企業だけでなく、公務員などの公的職場でも広がっている。私の大学(公立大学)からの給与も、昨年の9月からはけっこう減額されて、私の銀行口座にも振り込まれるようになった。

 私が暮らす福建省の省都・福州市(人口約880万人)では、無差別殺傷事件や社会不安をとくに現す光景は2024年度の1年間では目にすることはなかった。人々は朝は早くからいつものように仕事に行き、日々の暮らしをしている光景をずっと目にしてきて、中国社会が特に大変な状況に陥っているという感は、そんなに目にしないのだが‥。

 しかし、光景としてはあまり目にしなくても、中国人の知人らと話していると、給与の未払い遅配、リストラの嵐ということが中国で広く深く起きているとの話は、最近ではいつも彼らからでる。中国の人たちは、みんな大変だなあ‥と改めて感じる。(2024年の9月下旬から10月中旬、中国政府の経済活動への大型資金投入により株価が一時大きく上昇して、人々の期待感を膨らませたが、でも‥それも一時的な現象で、再び下落していった。)

 でも、往復3時間余りの日々の通勤中での光景としては、大学にほど近い商店街の通りの建物が壊され閉鎖される光景も目にした。(閉鎖されてシャッター商店街になるのではなく、商店街の建物群そのものが解体されているだ。)

■社会の閉塞感が強まる中、中国共産党一党支配と習近平政権の政治・政策を正当化してきた経済成長も、人々は2025年以降のこれからの未来、好転するとはもう思えなくなっている感がある。もう一つの正当化の理由となっている台湾統一問題は2025年以降はどう推移していくのだろうか‥。

 昨年の12月中旬頃から年末までに、この中国の社会状況に関する日本での報道(※youtubeで視聴)から、4つ余りをここに紹介する。その報道内容の真偽(大げさな偏向報道など)もあるとして、視聴をする必要はあるが。

 ①読売テレビ系「報道ten」。上海の渡辺特派員による「日本企業も大打撃 低迷続く中国経済の今—相次いだ無差別殺傷事件」と題された報道。「不動産不況・経済の悪化、表面化する社会の不満—社会への報復」。屋外で布団を敷いて暮らす人の映像も‥。

 「ダウングレード消費=生活のレベルを下げる 格安食堂 激安スーパーが人気」「高級路線の低迷—伊勢丹、資生堂など 閉店や業績悪化。安価な飲食店路線の活況—サイゼリア売上増」「中国2025年は"あの人"次第?どうなる世界?—トランプ政権誕生前に、日本とのパイプ(関係)を良く(強く)しておきたい思惑も」などの報道テレップ流れる。

 ➁youtubeで視聴した、ある報道番組。「賃金未払い・人員削減の嵐—民間部門だけでなく公的部門にも広がっているという、警官さえもが抗議デモも 止まらない労働争議」「中国でバリケードの注文が急増(治安悪化を受け)」などのテロップ流れる。この報道では、「中国の若者1500万人が配信業 しかし、生活できる人はほんのわずか」と題された報道がされていた。ここで言う「配信業」とは、いわゆるyou tuber(ユーチュウ―バー)のことだ。生活費をつくるために、youtuberをしている人も多いとの報道内容。

 テントや土管などで生活している若者たちの映像も報道されていた。

 ➂youtube配信の「柯隆氏」のトーク番組。中国の政治・経済・外交などに関して、中国研究専門家の柯氏が語る報道番組だ。この中で、中国の不動産価格は減額の一途をたどり続けていて、もはや完全に不動産バブルは崩壊していると語る。私もこの不動産バブルについては、2015年頃からいろいろな日本人に聞かれてきたが、2021年までには確実に不動産バブルは崩壊したと思う。2020年からの恒大集団などの大手不動産会社の事実上の倒産連鎖がそれを物語っている。

 不動産バブル崩壊に伴い、国有地(※中国は全て国有地)の賃貸金で財政を保ってきた地方政府[省政府・市政府など]の財政も破綻してきていて、公務員や準公務員の賃金未払いや給与減額なども起きてきているのだが、公的年金もまた地方政府がそれぞれ独自の金額の年金を人々に支払っている。このため年金崩壊と未払いや遅配も地方政府によっては起こりうる可能性が大きいと柯氏は指摘する。

 ➃これもyoutube配信の報道。「若者たちの悲歌—給与未払い・リストラ」と題されての報道。広東省での地下道で寝泊まりしている若者たちの動画が放送されていた。

 また、通信IT大手アリババやテンセントなどの超有名大企業での大量リストラに関する報道もされていた。「リストラは2万人規模を超えています」「全従業員の約10%にのぼる」などのテレップが流れる。つい最近の2022年頃までは、若者たちの就職希望先人気NO1だったこれらの会社もまた‥。

■2000年代に入ってから2020年ころまでの20年間、中国の経済成長の牽引をしていたのが「➀不動産業界とその関連産業、➁IT通信業界とその関連産業」だった。➀➁➃の報道で流された映像や動画の中での、地下道などに寝泊まりをする人々。このようなものは、この2024年の後期になり初めて報道され始めたものだった。

■そして今、2023年からは、中国は自動車産業関連だけは、中国経済に新たな活況をもたらしている。(※多くのEV社は倒産したが‥)自動車産業はその関連産業のすそ野がとても広い。電気自動車(EV車)のへの世界的関心と需要の高まりにより、2023年の1年間の自動車輸出台数は、「中国約491万台(世界首位初)、2位日本約442万台(前年比16%増)」となった。

 2024年には、ややEVの世界的人気には、様々な問題によりその人気に陰りが出始めている。そして、今現在、EV+ハイブリッド(つまり、電気とガソリンの両方を使う車)の開発、販売を巡っては、日本のトヨタ社と中国のBYD社(比亜迪)が世界の両雄となっている。

■世界の自動車市場(2024年~25年)の今。世界の自動車の約30%は中国で売れている。そして、中国で販売の約40%はEVだ。昨年(2024年は)、このEVが中国で約1270万台が売れた。これは世界のEV販売のの約60%にあたる数だ。この中国市場をつかまなくては、世界の自動車産業各社は7世界戦略を論じることはできない。このためトヨタは、上海に独自のEV+ハイブリッド車工場を新たに建設中だし、ドイツのフォルクスワーゲン社も、自国内の工場を3箇所閉鎖して、中国投資を増加してきている。日産やホンダは経営統合をして、新たな世界戦略を模索しようとしている。

 知っての通り、2000年代以降、日本の経済をけん引してきたのはトヨタをはじめとする自動車産業だ。日本のジャーナリストや論客などの中には、「日本企業は中国から撤退するべきだ」と、感情的に煽り立てている人も少なくない。このように述べたり書いたりすると、日本人の読者などには受けがいいこともあるからだ。しかし、これは世界の現実を分析研究もしないジャーナリスト失格の人たちだと私はには思える。

 

 


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