彦四郎の中国生活

中国滞在記

「銀幣」「天目(てんもく)茶碗」「茉莉花茶(ジャスミン茶)」を買い日本に持ち帰る

2019-01-19 15:39:49 | 滞在記

 年明けの1月5日(土)、福州市内の露店・骨董市に出かけた。いろいろな露店が並ぶ。1950年代以降から1980年代まで、中国の人々にとっての文学や物語、歴史人物などを学ぶものは小さな小冊子だった。ペラペラとめくると絵と簡単な文章がページごとに書かれている。中国において1980年代のはじめに大ヒットした日本映画「絶唱(三浦友和・山口百恵主演)」なども、この小冊子があったので2年ほど買って、日本に持ち帰り、山口百恵ファンの妻にあげた。若い女性がやっていた露店の散髪屋さんには次々と客がやってきていた。寒いこの季節、小学4年生くらいの女の子が、中国独特の厚着をしていた。

 ちょっとこわそうなお兄ちゃん。髪を短く剃り上げるようなヘアースタイルは中国人の定番なので、日本ではヤクザと思われる顔や髪型の人は中国ではどこにでもたくさんいる。2月5日の春節の新年に向けたカレンダーが販売されている。今年も習近平夫妻の写真をトップにしたカレンダーが置かれていた。中古の二胡を売る露店。買い求める人が試し演奏をしていた。その音色が露店に響く。年寄りのおじいさんとおばあさんが二人で「物乞い」をしながら人の間を通って行く。

 露店には福建省の特産である「天目(てんもく)茶碗」を売る人も多い。日本の室町時代から戦国時代、そして安土桃山時代に特に茶の湯(茶道)の茶碗として珍重された天目茶碗は、福建省の南平という場所で宋の時代からつくられた茶碗だ。私はこの茶碗が大好きだ。「建蓋茶碗」ともよばれる。いわゆる「曜変天目茶碗」というものは世界に3つしか現存しなく、これはすべて日本にあり国宝となっているが、この南平の建蓋でつくられたものだ。

 南平には世界自然文化遺産となっている「武夷山」がある。霧に包まれることの多いこの山麓一帯は「世界的な茶の産地」として有名。「鉄観音」「烏龍茶(ウーロン茶)」「岩茶」「白茶」などが多く栽培されている。また、紅茶発祥の地でもある。福建省は中国の沿海地方の中で最も山地と森林が多く、茶の生産に適した場所でもある。「茶」と「天目茶碗」の故郷とも言える。

 銀製品の中でも、私は「銀貨幣」(銀幣ぎんぺい)に興味を持っている。歴史上、商取引での支払いで最も多く使われたのが銀だからだ。露店市を何度も何度も行くと、時々、この銀幣を見つけることができる。この半年間で4つの銀幣をこの露店で見つけて買った。

 1月5日(土)の午後、三坊七巷に行く。途中にあるデパート前には、「人材募集」と書かれた大きな看板の前に、ホテル従業員募集の係員が2人座っていた。「東百坊巷大酒店」というホテルで、さまざまな職種の従業員を募集していた。新しく開業するのだろうか。「周大福」という中国では有名な「貴金属店」の大きな宣伝看板。真っ赤な色で統一され、従業員も真っ赤な服を着ている化粧品店のブース。中国人はほんとうに赤が好きだ。真っ赤な男性用パンツや女性用パンティもたくさん売られているし、洗濯物としてよく干されている。

 三坊七巷には今日も地方からの観光客らしい人たちも来ていた。団体の場合はおそろいの帽子をかぶっているのは中国の定番だが、日本人である私は、この定番風景にはいつも日本人である私などは恥ずかしいというか違和感を感じたりもする。通りに1980年代の店が再現された一画があった。「西湖百貨」(1978—19889)と書かれていた。憂いをふくんだ美しさをもつ若い女性がその店の案内をしていた。

 母と娘が、幼い子どもの手をもって歩いていた。小さな子の腰には、伸び縮みするものがついていて、姉がそれを握っていた。しばらく様子をみていたら、お母さんと姉が手を離すと、その子は素早く走り始めたが、あるところまで行くと、飲み縮みするもので姉に引っ張られて戻されていた。おもしろいなあ。

 三坊七巷には福建省特産の茶を売る店が多い。特に「ジャスミン茶」を売る店が多い。このジャスミン茶発祥の地は福州だ。ジャスミンの花を栽培している畑も多い。おそらく世界一のジャスミン茶生産地かと思う。「ジャスミン茶館」に入り 日本へのお土産用にたくさん買った。1800年代から1900年代中頃まで、ここ福州は「世界最大の茶の輸出港」だった。

 1月6日の午後2時(中国時間)の飛行機で福州長楽国際空港をたち、夕方の5時半(日本時間)には日本の関西国際空港に到着した。約2時間半のフライト時間。望郷の念にかられていた日本に、ようやく一時帰国できた。2月25日から大学の後期授業が始まるので、2月22日には再び福州に戻ることとなる。

 今回の日本への帰省で持ち帰り、お土産などにするものが上記の写真。左より①ジャスミン茶②天目茶碗(光のかげんで色が鮮やかに浮き出たりする)③銀幣(イギリスが中国で大量の阿片[あへん]を売り、その代価として大量の銀幣が持ち出された。阿片戦争の原因となった。)この4つの銀幣は当時つかわれていたもので「紋銀」とも言われる。④羅針盤(中国の4大発明の一つといわれる)

  ③と④は、京都府の高校で「歴史」の教員をしている娘にいずれはあげるつもりだ。盃大の天目茶碗は日本酒のぐい飲みとして、酒好きの知人なども いくつかはあげたい。

 

 

 

 

 


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