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本のリアルを語ろう!

記憶はどこに

2007-03-12 22:12:23 | Weblog
『海に落とした名前』多和田葉子著。短編集でこのタイトルの他に3タイトル入っています。どの短編にも言えることは真面目に読んでいると、ふと肩透かしのような笑いがあり、ええっつ!とビックリしていると次々におかしなくだりが出てきて声を出して笑ってしまいます。
 『海に落とした名前』では飛行機墜落事故で記憶を失った主人公は名前が分からないので保険が下りない。保険は名前に付けるのでなく、自分自身に付ければよかった!と言います。確かに自分自身を証明する手立てが無い場合保険と本人を証明する事が出来ない。荷物はすべて機内に置いて行ってください。との機内放送に従った主人公は記憶まで機内に置いてきてしまったのだ。そんな事ってあるんだな!なんてあるわけないのに、あるような気になってしまうところが可笑しい。
 薦めていてなんですが、結末が今ひとつわからない。ちょっと安部公房ぽいかな?読んでわかった人、書き込みください。


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