浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

アーノルド・ロゼによるエルンストの名曲「オテロ・ファンタジー」

2008年01月27日 | 提琴弾き
アーノルド・ロゼは3度目の登場である。維納フィルハーモニーのコンサートマスターを57年間も務めた伝説の人であり、維納の音楽文化の中心に居た大御所的存在でもある。そのロゼは比較的多くのレコヲドを残してゐるが、珍しい作品も目に付く。その一つにエルンストといふ作家の「オテロ・ファンタジー」といふ作品がある。

ハインリッヒ・ウィルヘルム・エルンストは前期浪漫派の時代に生きた提琴弾きの大家で、パガニーニに対抗意識を燃やしたり、ヴィエニアフスキーと四重奏團を結成したりと、歴史上の重要人物との関わりは多いが、自身の名前は忘れ去られてゐる。しかし、20世紀初頭では、ロゼが取り上げたくらいだから、当時は演奏される機会も相当あったのだらう。

曲は、ヴェルディではなく、ロッシーニの「オテロ」の中のアリアをもとにした幻想曲といふ聞き慣れぬ作品だが、ロゼの豊かな表情付けや時代がかった歌いまわしを聴いてゐると嬉しくなってくる。20世紀初頭の音楽趣味や文化の香りが伝わってくるやうな粋なレコヲドである。このときのセッションではツィゴイネルワイゼンも録音してゐる。この年は、作者であり大提琴家であったサラサーテが亡くなった翌年に当たる。

盤は、米國ArbiterRecordsによる復刻CD ARBITER148。

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