浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

小倉朗「管絃團の為のコンポジション」嬰へ調

2008年01月14日 | 日本國の作品
小倉朗の名は、その音楽よりも著作で知った。確か「現代音楽を語る」といふ本だ。今日は音楽室に入り、小倉朗の管絃樂作品を聴いてゐる。

巷では3連休で、田舎にも若者が帰って来て、品の悪い安物の衣装で歩きまわってゐる。頭には洗濯糊を付け、赤黄青茶金で中身の出来具合を色分けしてゐる。見てゐるだけ愉快だが、街全体の品が落ちたやうな印象を受けたので、今日は家でゆっくりと音楽を楽しむことにしたのだ。

時間ができると(いつでも暇だが)LP盤の棚の方に目が向く。最近、ちょっとマイブームになりつつあるのが日本の作家による作品である。前衛と称して万人の支持を得ないやうな作品には興味はないが、小倉朗のやうに、「調性は光と影の如く音楽につきまとうもの」として無調音楽とは一線を画して現代音楽の在り方を探求する作家の作品は、常に関心を持ってゐる。

この作品は15分弱の短い曲だが、3楽章形式の交響曲だ。一つの主題を展開して曲を構築するタイプの作風であり、終楽章などは対位法を駆使した2重フーガになってゐて、極めて僕好みの仕上がりになってゐるではないか。バルトークの弦打チェレスタの音楽を連想する。ただ、日本國のカラーを打ち出してゐるかと言ふと外山雄三市川都志春諸井三郎らに比べやや弱いやうに思ふ。

1975年の秋に完成したこの作品を聴きながら、「調性といふリアリティを抹殺しないかぎり、発端のテーマは、最後のただ一つの和音に向かって進む」といふ作者の言葉を想ひ起こしてゐる。

小泉和裕指揮、京都市交響團による演奏である。

盤は、DenonのLP盤 OX-1026-ND。

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