天使幼稚園

カトリックの精神に基づいて未来を生きる子どもたちを育てます

<園長だより夏休み号>興味関心を広げる夏休みを

2019年07月16日 13時46分19秒 | 園長だより
 お弁当の時間、クラスを回り子どもたちとお話をしていると、いろいろなことを教えてくれます。
「ねえ、園長先生。レッドとブルーとイエローとグリーンとピンクのレッシャーが合体したらトッキューオウになるんだよ。」
と男の子が教えてくれていると、今度は女の子が、
「わたしのスプーンいれ かわいい?これがシンデレラで、これがアリエルで、これがラプンツェルでこれがエルサ。この雪だるまはオラフ。」
これに限らず、子どもたちは自分が好きな電車や恐竜、また様々なキャラクターなど、おとながついていくことができないくらいたくさんの名前を知っています。興味があることに関して発揮するその記憶力、おとなも少しは分けてほしいほどです。

 今、日本の子どもたちの周りには多くの玩具があふれ、テレビ番組でも子どもたちの興味を引きつけて、常に新しい玩具を買いたくなるように、次から次へと新しいキャラクターやグッズを登場させています。子どもたちが喜ぶならば、あるいは他の子どもたちが持っているなら同じものを与えてあげようと、求める物を次々に買ってあげる家庭も数多く見られます。そしてたくさんの物をもらった子どもたちは大喜びでそれを使い、記憶力を発揮してそれらの名前や機能を覚え楽しく遊ぶことができています。

 子どもたちが持っている素晴らしい記憶力は知識へとつながります。その力をこのようなキャラクターなどを覚えることだけに使ってしまうのはもったいないものです。

 先週の火曜日、体操教室やチアリーディングのお迎えの時間、子どもたちや保護者の方が掲示板横の花壇をのぞき込んでいました。何かなと思って行ってみると、セミの赤ちゃんがサナギから出てきたところでした。出てきた時は逆さまだったけれど、足を伸ばし殻(から)につかまって上を向き、畳(たた)まれていた緑色の羽が少しずつ伸びていきました。その様子を見ている子どもたちの目はキラキラ輝き、これからどうなるのかなと興味津々(きょうみしんしん)見つめていました。この羽が硬くなり茶色に変わると、空に向かって飛び立ちます。でもセミが飛び立つまではまだ1~2時間以上かかるので、残念ながら飛び立つところまで見ることはできませんでした。

 先週の木曜日には「はやぶさ2」がリュウグウに再着陸し、岩石の採集に成功しました。これを持ち帰ると生命の誕生や太陽系の成り立ちについてさらに研究が進むといわれています。

 このように少し視野を広げると、私たちの周りには自然の出来事や科学的な事象が数多く取り囲んでいることが分かります。子どもたちの視線をちょっと誘導してあげると、子どもたちは自然や科学の世界が持つ不思議さや偉大さ、おもしろさに引かれ、興味関心を広げていくことができるものです。そして自分が興味を持ったものをもっと深く知ろうとする探究心が、一人ひとりの子どもたちの知識や可能性を広げる原動力となっていきます。

 これから長い夏休みが始まります。幼稚園に通わないこの期間は、子どもたちが数多くの未知の体験をする大きなチャンスでもあります。自然といっぱいふれ合ったり、知的好奇心を高められるような科学館などを訪ねたり、日常生活の中ちょっとした出来事から「なぜ?どうして?どうなっているの?」という疑問をふくらませたりしながら興味関心を広げ、未来につながる力を育むことができるよう、周りのおとなが心配りをしてあげられるといいですね。良い夏休みをお過ごしください。
     (園長 鬼木 昌之)

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