昴星塾(ぼうせいじゅく)のブログ

リサ・ロイヤルの「ギャラクティック・ルーツ・カード」に親しむ会。不定期の掲載。

シリーズ7回目

2016年08月10日 | 日記

今回は、最後から一つ目です。一息入れたい人は、ざっと眺めるだけで結構です。

高い志を自然に実現して、あなたの夢をよくこの世界で現実にしていかれることを心から期待いたします。

これまでのところで、それで十分です。

(おつかれさまでした)

ここからは、もうすこし進みたい人だけのものです。

あなたが瞑想を真面目にやって、毎日40分座るのが当たり前のある日、ふと1時間以上瞑想をしていた、ということも起きます。

その時、あなたはきっと「アナハタ・ナーダ」というものについて、私自身が師匠の下で体験したような「沈黙の声」を聞くこともあるでしょう。

遠い昔のことでしたのであまり覚えていないのですが、部屋いっぱいに「音」がありました。初めは太鼓、それも大きな音でした。だんだんと笛の、そうですフルートのような音が中心になりました。それは、アナハタすなわち「無破」と言われる、ヨーガ行者が聞く沈黙の音だったのです。

それは心臓のチャクラ(チャクラとは、光輪のことです。微細な生命エネルギーのセンターを指す。)で聞かれる音で、喉のチャクラであるヴィシュダにおいては「声」となります。

以下の図象は、上の方は、17世紀のドイツの神秘家としてまた精神世界を直接的に示したマスターとして哲学史上にも名を止めているヤーコプ・ベーメが弟子たちに教えたチャクラの図です。この絵自体は、ベーメの大勢の弟子たちの中でも死後の弟子の一人ギヒテルが描いたものです。

ベーメの著作は、ドイツ人よりユダヤのカバラ学者ショーレムやフランスのイスラム学者コルバン、あるいはイギリスの詩人で画家のブレークなどのお陰で近代以降でも世界に知られるようになりましたが、ベーメに最も多くのものを負っているのがドイツの哲学者ヘーゲルです。ヘーゲルについてはきっと聞いた人もおられると思います。

 ヘーゲルはベーメの神秘哲学を世俗化平板化したものだ、とも言える面があります。ヘーゲル自身も哲学史上の巨人ですが、その弁証法というのはベーメによる認識が元にあります。なお、最近のベーメに関する研究として重要なのは、分析心理学の創始者 C.G.ユングの幾つかの著作です。

 さて、この絵でもわかるように、心臓については、占星術の星々の中で最も中心の太陽を置いています。ベーメはその思想の一部をパラケルススの錬金術に置いていて、ベーメ哲学の一部は錬金術的な表現です。錬金術はヨーガの生理学ともとても深いつながりがあります。

 ベーメは、音についても触れています。臨終の時、彼は「天界の音楽が聞こえる」といってなくなったそうです。

心臓のチャクラの目覚めと「音」との関連は、このようにインドの場合でも、ドイツの場合でもあるのです。

 

下の絵は、イギリスのテオソフィストの一人、リードビーター僧正が描いたもので、上のギヒテルの図象と一致しています。リードビーター自身が見たチャクラの図象は、こういうものでしたが、インドのものやギヒテルのものには、明確な、星とか動物とかが描かれています。私がまだ助手だった頃、ヨーガの瞑想をしていたユダヤ人の女性は、インドの図象のものを見た、というので、人により具体的に見えるのだろうと思います。ただ、本質的には全く同じもので、究極的には色も形もなく光の渦に他ならないようです。見える、見えないは重要ではありません。ただ、恐れないこと、信じてつながることだけです。

 

以上ですが、皆さんの中には、本格的にインドのヨーガを学ぶ人もあるかと思います。そういう人に、以下のことを書き加えておきます。上にあげたチャクラの図は、インドの図とは違います。どこが違うのかを下の図と見比べてみてください。

 下のふたつのチャクラの位置が、ヨーロッパの図には描かれていないのです。この下位のふたつのチャクラへの集中は、経験のある師匠のもとで安全に行う必要があります。本で読んだだけで自己流にやってはいけません。人によりますが、心身の不安定をきたして苦しむひともかなりいます。

おそらくヨーロッパのマスターたちはこの危険を考慮して、未熟な弟子には伏せていたのかもしれない、という説があります。おそらくそれが本当のところだと思います。

今、これの指導を得たいと思っても、適当な先生はたぶんみつからないでしょう。ただ、次のような道をとることはできます。

まず、初歩的な呼吸法と座法を学ばなければなりません。とくに、丹田呼吸という技法について、経験の深い日本の師匠としては

原久子という人がヨガクラスを開いています。HPを検索してみてください。あるいは、禅の修道会か、阿字観の修道会を訪ねてみてください。呼吸法と座法ができてから、超越瞑想法(TM)の教室などを訪ねてもいいでしょう。残念ながら、ヨガクラスにはあまり好ましくないものもあるので、十分注意して、今あげたようなところから始めてください。

 

補註:ここからは、本当に興味ある人はお読みください。興味が起きないのに無理に読んでもわかりません。読む時期が来れば、自然とまたこれを開かれれば良いのです。

 

これまで引用した、ソニア・ショケットの格言について説明する上で、宇宙意識について、もう少し話さなければならないことがあります。今回で最後です、少し我慢してください。それは「梵我一如」という、前にお話ししたことについてです。もう少し、文献にあるものをご紹介しておきたいのです。

この話は、スピリチュアルなことを扱うセミナーにもし将来出席した時、「ハート」という言葉に何度でも会うことに気付かれるでしょう。感覚的には分かっておられるのでしょうが、もう少し深い意味があります。それに備える意味もあります。

 

 古代インド文明についてはまだ解明されていないことが沢山あります。特に、インダス文明の頃の出土品には、文字の刻まれた印章があるのですが、読めないのです。アーリア民族がアフガニスタン方面から侵入して、先住民とされるドラヴィダ人を征服してから、リグ・ヴェーダなどの最古の聖典ができたと言われます。この中の、瞑想や呪術に関する部分は先住民族の文化がたくさん入っていると推定されています。インドには、マハーバラタなどの口伝えの文学があって、サンスクリット語で書かれ、これ自体がインド古代哲学の一部をなしています。中でも特に有名なものが、「ヴァガヴァト・ギーター」です。ちくま学芸文庫から解説本が出ています。

 あまり長くはないし、今でも欧米でも非常に良く学ばれ、日本語にも訳されています。般若心経と同じくらい、ぜひ一度は目を通してください。人の志と神の御意志、というテーマで読んでみることができます。

 

私が学生だった頃、最初に撮った専門科目の一つが「インド思想史」でした。前田恵学という先生が講師でした。この先生は「シャンカラ」というインド史上でも指折りの学者の研究家です。シャンカラは、不二一元論という哲学思想を書き、それがインドの哲学の一つの源泉になっています。これをここで解説することはやめておきます。一言だけ言っておくと、それは仏教でいう「空」の思想と通ずるものがあります。

 さて、前田先生の授業を聞いてとても興味ができて、リグ・ヴェーダや他のヴェーダについて邦訳で少しづつ読んでいきました。岩波文庫から出ています。

一番重要なものは、強いて4つ挙げるとすれば、「宇宙開闢の歌」p322、

「プルシャ(原人)の歌」p318、「ヒラニア・ガルバ(黄金の胎児)の歌」p316、そして「タパス(熱力)の歌」p309、です。

 これらは、読んですぐわかるというものではありません。でも、見ておくだけでいいのです。意味はいつかわかります。

 今、聖霊とのつながりを知る上で最も大事なのは、各ヴェーダに付属する「奥義書」と呼ばれるもので、ウパニシャッドと言います。ヴェーダの解説のいうよりは、もっと哲学的なものです。

 ちくま学芸文庫に、岩本裕氏の訳で、『ウパニシャッド』という本から引用します。P69 チャンドーグヤ・ウパニシャッドから。

「それについて、リグ・ヴェーダの讃歌に述べられている。

その偉大さはこのようであり、プルシャはそれよりさらに大である。

一切の存在はその足であり、天上における不死はその三つの足であると。

このブラフマンと言われるものは、実に人間の外にある虚空である。

人間の内部にある、この虚空である。実に人間の内部にある虚空こそ、心臓の内部にある、この虚空である。それは充満しているものであり、不変のものである。

このように知る者は、満ち足りて変わることのない幸福を得る。」

ブリハッド・アーラヌヤカ・ウパニシャッドp277

「この偉大で不生のアートマンは、実に諸機能の中において識別から成るものであります。一切の支配者であり、一切の君主であり、一切の統率者であるそれは、心臓中にある空所、そこに横たわっています。」

 おそらく、この意味がわかる人は、例えばヨーガの瞑想、あるいはユダヤ神秘主義などの瞑想に通じた目覚めた人です。なぜなら、私は、例えば、それについてアーサー・アヴァロン卿によって翻訳されたヨーガの秘伝書『serpent power』にまさにこれの記述があることを承知していますし、また、アメリカ人のマスターの一人、ユダヤ神秘主義のカバラとアメリカ原住民の秘儀に精通しているドランヴァロ・メルキセデスの講義を聞き、またその著作をよんで、同じことが説かれていることを確認しているからです。本も探せばあります。「ハートの聖なる空間」という本です。

 

 以上の本に書かれたことは、本当のことだ、と思います。また、いつかあなたは、膻中と呼ばれる鍼灸のツボのちょうどそこから螺旋のように不意に虚空に広がっていくエネルギーの渦巻きがあることを認められるでしょう。アナハタ・グランティという微細な結び目が解けることがあります。

 さて、もう限界、と悲鳴をあげられた方もおられると思います。確かに、ちょっとハードな話なので無理もないと思いますが、ここまでついてこられた皆さんは本当にすごいです。

次回で最終回