夜中の紫

腐女子向け 男同士の恋愛ですのでご興味のある方、男でも女でも 大人の方のみご覧下さい。ちょっと忙しいので時々お休みします

負けず嫌いと負けたがり 4

2009-12-03 | 紫 銀
「あ・・う!・・・・・おま・・・。」


最初は何をされるのか分からずに パ二喰った土方だったが。

噛まれる痛さの中に、とげが動く感覚があって それを取ろうとしているのだと言う事は理解できた。

しかし・・・・。



歯にやっとかかった竹の棘をじらすようにいじられる所を見ると・・・

楽しんでいるようだ。


「いででで・・・。」


肩に力が入り上がると総悟の唇に鎖骨が当たり、耳元・・・総悟の喉元が微かに声を漏らすように笑っているのが聞こえた。


「あ・・・総悟!!・・てめ・・・・。」

悪態をついたが 棘は上向きに留まったまま。
総悟は舌で血を弄び、棘を愛撫する。

「・・・ば!・・・怒るなって・・・・いっ!・・・。」

何度も肩を弄ばれて、痛みもじんじんと耳を打ち始める。怒ってるのか・・・どうなのか・・・・これはたまらない。

総悟の舌だけでも恥ずかしい状態なのに・・・



「俺が・・がきだと思ってんだろ・・・万屋にも相手にされないほど・・・。」


「は?・・・何言ってんだ?・・総悟。お前を誰が・・・。」


「旦那・・・・。旦那はお前さんの相手はする・・・俺ははぐらかしてもねぃ。」


「!・・・何・・・言ってんだ?そんなこと・・・・俺が気に入らねえだけだろ。」



「・・・・・そう・・・。お前さんが・・・気に入らないのさ。」

そう言いながら総悟は土方に抱かれるように体を預け棘を目にすると、口をつけた。


「あいつに・・似てるから・・・。」

口の端でそう呟きながら、棘を引き抜いた。


「ぎ!!・・・・・っう!・・・・・いて・・・。」

ぶっ っと感触と音と共に爪楊枝より少し短めの 竹串は引き抜かれ 裂かれた肉片が少しついたままのそれは 総悟の口に噛まれていた・・・。

血を避けるように摘まんでみせ、舌で舐めて見せる。

ぷっと 食べ終わったかのように端に飛ばし 土方の顔の前まで戻ってきた。

痛みでうめき 横を向く土方。


痛みはマックスでないのは分かっているのだが、それでもサドにいたぶられれば痛い。悪態をついて強がりたかったが、胸に舌で字を書くように血を弄んでいる総悟は全く聞く耳ももたず・・・・・

手が


下から着物を割り膝から上にゆっくり進むのを感じた。


「・・!!!っ・・・。」

目をひんむいて 起き上がろうとしたが、もう片手が顔面をぐっと元に戻すように押し付けた。

そろそろ 冗談の域を越え出した・・・。声もまともに出そうにない。





「そ・・・・おま・・え・・・冗談・・・・に・・・なん・・ねえ・・ぞ。」


背中の締めた帯をぎしっと結びを緩め 返事にかえる総悟。恐ろしさ・・・怖さが


「止せ・・・お・・きた・・・ごめん・・・て。」


総悟は聞き届けたのか暗闇で体を離し 土方をちらっと見たが・・・自分の袴の帯をするっと解く。ぼさっと袴を脱いで着物が足の上に落ち着物姿になると いやらしげもない・・・青年に見える。

本気らしい・・・・。


沖田から逃げようと 動きそうな腕を脇に回して体を横に向かせようとするが、沖田には自分を求めて動いているようにしか見えなかった。


「ふっ・・・・。逃げ?・・・それとも・・寂しい?・・・。」


宙を掴もうとする手を握り自分の首にかけさせようとする。土方は沖田を押しのけて起き上がろうとした。

そこを 後ろから腿の着物を手繰り お目当ての 土方の下着に触れるのだった・・・。



「ば・・・総・・・ご。」

上半身はだけた背中と肩は血まみれで、痛々しかったが 沖田はその背中を愛おしそうに微笑んで、キスをする。手は下着の中のままで・・・・。

何と言うんだろう・・・・。

総悟は 土方を辱めるように・・・・手の中の物をゆっくり いじり始める。
土方の背中は 震えだし、屈辱的な行為に耐えていた。


「ポイ捨て・・・するから・・・こんなことになるんじゃない?。」

「あ・・・・おま・・・。」

土方が聞きたいだろうと 答えてやる沖田。


「コンビニから・・・たばこ拾いながらついてきたんでぃ。俺に部屋教えねえし・・・、わざと負けたり・・・コケにするから・・・こうなるんだって。」

沖田は大きな背中を覆いかぶさるように そのまま抱きよせ傷近くに キスをする。


「は!・・・あ・・・。」


自分の物を沖田に 握られ先を人差し指が撫で始めると 土方の体は正直にそれに答え出した・・・。

よなよな夢見た光景だ。



女の姿でしなだれかかる総悟・・・。赤い唇をうっすら上げる顔は 細く女そのもの・・・。しかし、現実に背中を合わせる時は他人の血しぶきと、無数に光る剣先の中だけだ。先陣を切ってその身に剣を集めようとする 総悟に遅れまいと・・・・姿を探す。

その目立つ 美しいとさえ思わせる立ち姿を・・・・。




「!!!・・・。」

しごき始めようと握りしめた物に力が集まり、自分の腕を掴んでいた土方の腕から力が抜けたような気がした・・・。

いや・・・抜けたのだ。
それに とてつもなく・・・・怒りが湧いて来て総悟は土方の肩を引き、顎を掴んで瞳を探す。



「・・・・・。」

怒りでうるんだ目で睨んでいると


「・・・お前が死ぬ時は・・・俺が死ぬ時。・・・最初から・・勝ち負けなんて・・・・。」


「・・・・・・。」

沖田が土方から告げられた 敗北宣言にも似た言葉にない 何を読み取ったかは 分からないが 土方は もやもやと揺らめく意識の中で 

その真摯なキスに救われた。

正面から同じ分だけ求めて、同じ分だけ相手に返す・・。


その行為の延長上で 沖田に自分の物を吸わせる事を許し・・・・

総悟も受け止める事を 容認した。 










「ぁーーーーー・・・・。」

往ったにしては 声も小さい・・・。まあさんざん吸いつくした後だから・・・・

そろそろ許してやろうと 手の甲で口元をぬぐって総悟は土方の顔まで上がってくる。
土方は事切れたように 眠りに付いていた。


「え?・・・。今?。」

あっけにとられて、手で頬をぺちぺちと叩いてみたが、土方は起きてはくれなかった。

伸びた喉を血の筋が走り、胸も血がこびり付いた姿で 
往きそうな表情のまま・・・・眠りこけていた。

隊舎で見る居眠りしている土方ではなく、安心しきった寝顔が 若々しい。
自分より年下にさえ見える。


「冗談!・・・。」

ここまで来て・・・それはないでしょう。
沖田は何とか起こそうと、嫌がる事をいろいろしてみたが起きない。
そのまっすぐ延びた体を折り曲げて足を肩に担いでみたが、反応はいまいちだ。


「ち・・・畜生!一人だけ・・・往きやがってぇ・・・。」

総悟は悔しそうに胸を舐めて、土方のアナルを触りながら 自分がしたかった事をしてみたのだが 当のお相手 土方は 総悟に飲まされたニコチンで 倒れてしまったのだ。


こうなると抱きよせた足も 触っていた尻も何の価値もない。ただ裸で伏せた土方が自分の自由にしても良い体を 預けてくれているだけだ。

薄明かりの行燈の明かりが 土方を照らし出し、開かれた胸は上下に動き無防備な体が自分の下に広がるだけ・・・。

じーっといつまでも肩を出したままで総悟は覗いていたが 起きる気配はない。

唇も 髪も 肩も 腹も そのままだ。

片方だけはだけていた自分の肩を掴んで、土方の肩を触ってみる。
あまりの違いにその胸の音さえ 自分と違うのかと、耳を着け聞いてみる事にした。

空気の入る音がして動く胸 その合間におおきくドクンと低音が響く。
耳を付けたまま土方の顔を見ると 喉からくる息が鼻と微かに口から洩れていた。


総悟は目を閉じて

腕をまわし土方の体を抱きしめて その呼吸の中に入ろうとした。
自分の呼吸と 土方の呼吸 ぴったり合うと 少し安心したように かすかに笑う。

どこかに飛んでしまっていた掛け布団を呼び戻し、汗臭い中に包まれると、総悟の睡魔はすぐにやって来て 捕まえる。


なぜだかその夜は 遠い昔に戻ったように 深い眠りに就くことが出来た・・・。








ただし・・・。










「う・・・あたまイテ・・・・・・。」


と体を少し持ち上げた  次の日の朝の 土方さん。

心臓が止まったかと思うほど 固まった。




みぞおちから下に 何かがへばりついているのだ・・・・。背中まで回った腕や髪の感触があばらをくすぐっていて・・・・とてつもない恐怖感に襲われた。

いや・・・人?・・・それとも・・・。
一瞬とんでもない物が付いているような 気分になるものだ。こう言う時は。

闇討ちに合ったより ある意味恐ろしかった。
言い知れない恐怖が 昨夜の出来事をなかなか呼び戻させなかったのかもしれない。


・・・・布団を・・・めくらねば・・・。


めくって老婆が付いていたら・・・・その絶叫が 自分の中で響いているのだ。
叫んでもいないのに自分を縛っている。


しかし、天下の新撰組の副長がこんなでは・・・。

恐る恐るつまんで布団を上げてみると・・・・。
見た事ある体が、自分を抱いている。


「・・・そ・・・総悟?・・・。」


顔を見るまでは 全身の鳥肌がびりびりしたが、



「・・・ん?・・・・ん。」

寝起きの沖田が目を少し開けたので 彼と認識した土方は安心した。


「おまえか・・・・。」

肩が下がり、肌寒く感じた土方は布団に逆戻りしようとする。


「チョい…待て!。・・・・なんでお前が・・・なんで俺は裸?・・・あっ!!。」

やっと記憶が戻ったらしく、肩を擦り、自分の寝間着を探し出す。

ずるっと自分の下のクッションにしていた 土方がどいてしまったので、起こされて総悟は 目ぼけたまま体を持ち上げた。目の前には服の前を合わせて恥ずかしそうにいらつく土方が 煙草を吸おうとしていた。

「・・・・。」

ふああ・・っとあくびをして、ゆっくり立ち上がろうとする沖田を 手を引っ張って座らせる。まだ完全に目覚めてはいないらしい。


「・・・・・。」

土方は自分の置かれた状況に 幾分顔を赤くして煙草を馬鹿吸いしている。
眼は冷静に判断の計算を始めたらしい・・・。

それをちらっと見ると、安心したように総悟は腹を掻きながら立ち上がる。
もう一度手を引っ張るが、今度は力で抵抗された。


「何ですかぃ・・・?。俺・・家帰って・・ねまさぁ・・・。」

「どうしてくれんだよ!・・・この状況。」

手を引っ張られたまま総悟は土方を見た。

「何が・・で?。」

「!!お前と・・・俺が!・・・だよ。」


「・・・・・・・俺と・・土方さんが?・・・何が・・・ですかぃ?。」

ここまでとぼけられても説明のしようがないので、土方は沖田の腕をわしずかみにして座らせる。



「・・・・・夢・・・・・でしょ。」

あっさり総悟は土方を見ながら 答えた。

土方は煙草を吸いながら、やっと怒りでだろうが、総悟を見つめて言葉を交わす。
旦那としゃべっている時のように 殺気が混じり、本気モードだ。

それを見て、少しだけ胸が軽くなった総悟。


「じゃねえよ・・・・治療・・・しに来たんだろ?・・・なんでお前はいっつも 正直に云わねえんだ?。」


土方は総悟の腕を離し、冷静になろうと努めた。



「・・・正直?・・・言ってるって!・・旦那に手出すなって。」

「は?!・・・手って!!出されたのはおまえだろ!!。」

ばちっと後頭部の方でひもが切れたように 怒りははじけてつい・・出てしまった言葉。それを聞くと総悟の顔は するすると冷たくなっていくように見えた。

やべっ・・・・。


「・・・・・ふーん。・・・それで旦那にちょっかい出してたんですかぃ。・・・ばかばかしい。」

さげすんだように土方を見る総悟。


「出しても居ねえし・・・出されてもいねえよ。」

「・・・なら・・・別に・・。」


土方は自分の恥を隠すように 下を向きそっぽを向いてしまった。その姿を見ながら旦那・・・銀時を思い出す。



幻と煙の中で・・銀時は確かに・・・高杉と・・・。



それが目も前に居る 
全くそっくりな男と被ってしまうと・・・

なぜだか ふつふつと怒りがわき上がってきた。

ひくひくと顔面の神経が 笑ったようにひきつるし・・・。
ぶるぶると震える手。


あの銀時が選ぶのは・・・自分では無い。

そう過ぎっただけで・・・
うつむき立ち上がろうとする土方の襟を掴み 肘を入れながら布団に倒す。



「総?・・・・も・・いいんだって!忘れろ・・・。」

そう言ってみるが総悟の瞳は 真剣だと言っていた。


「借りは・・・作りたくない・・・あんたにはねェ・・・。」

そう言うと強引に土方の胸を開いて キスした。


夢にしようと言った総悟が 銀時の名前が出ただけで また・・・。




・・・・これを・・・惚れてると言わずして・・・なんと言えばいいんだ・・・。



土方は怒りも嫉妬も感じさせない表情のまま倒され 天井を眺めた・・・。





とりあえず こんなもんでいいかなぁ
おしまいで?
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする