Gute Reise

東大で西洋建築史の研究をしながら設計を勉強している大学院生の日々の記録です。リスボン大に1年間留学を終え、帰国しました。

年末年始旅行6日目(ヴァイルアムライン→バーゼル)

2016-12-27 | 年末年始旅行 2016
歩いてVitra Design Museumへ。
折角なのでツアーに参加することにし、
開始時刻まで1時間半あったので、ざっくり見られる範囲で見て回る。

ツアーは、ゲーリーの美術館前から始まって、2時間ほどかけて
安藤忠雄のカンファレンスルームで終わるようになっている。

もしかすると、日本人がいるなぁと思って
そうしてくれたのかもしれないが、
ザハ、SANAA、安藤忠雄の説明が中心だった。


ザハの消防署では、2階まで見せてもらえるのだが、
照明の入っている位置が壁や階段や1階の壁と
同じ位置であることを例にとって、
いい建築というのは、機能とデザインがマッチしている建築で、
ザハの建築はまさにその代表例なんですと説明された。



SANAAの生産工場は、まず周辺に住宅地が多いことから
綺麗な建築にしなくてはならないということで、
白くて綺麗な美術館を沢山作っていると、
Vitra財団がSANAAに依頼したという話。
敷地の広さ、Vitra財団が出せる金額の大きさから、
SANAAはオーケーして、引き受けたのだということだった。

内部の工場が完成してからファサードのカーテンを作るのに3年と
莫大な時間とお金をかけたが、さすがはVitra財団、
お金がかかっても美しいものを作るのに厭わない。
このVitraの敷地に建築家は自分の建築を、最適な素材で、
好きなだけ建てることができるから、
建築家はここの敷地に建てるのを幸せに思っていると。

、、、ザハの建築を見た後だったのもあって、
国立競技場の話が頭をよぎる。



最後に安藤忠雄のカンファレンスルームだが、
こちらは安藤忠雄が海外に建てた最初の建築であると。
桜の木を切りたくなかった安藤忠雄は、
切らずに済むような設計を行い、
50本あまりの桜の木を切ったというゲーリーの美術館の方向に向けて、
ガラスが壁を切るようなモニュメントを潜ませた。

日本はヨーロッパとは全く違った思想を持っていて、
安藤忠雄だけではなく、日本の建築家は皆、
建築よりも自然を重んじているのです。と、熱弁されてしまう。

正直、勿論、安藤忠雄の依るところはそうなのかもしれないし、
それを目指す建築家は多いだろうと思うが、、、

、、、きっとこのガイドのおじさんは東京に来たことがないのだろう。
東京に来て、今日本でどういうことが起こっているのか、
見たらきっとがっかりするんだろうなぁと思ってしまって、
勝手に気持ちが沈んでしまった。


ツアーが終わってから、急ぎ足でレンゾピアノのBeyeler美術館へ。
初めて、歩いて国境を越える!


美術館は白い内装と綺麗なピンク色の外壁が綺麗で、
休憩用のベンチのある廊下の壁も外壁と同じ煉瓦で、
第二の外壁のような雰囲気で建築の演じ分けが素敵だった。


市内までトラムで移動しようとするも、
なんとカードがうまく読み込まれず、
しかもユーロも丁度硬貨を切らしていたので、急遽フランを降ろすことに。
近くの郵便局で60CHF下ろしたのだが、20CHF札3枚で出てきてしまう。
駅の切符売り場のところで、スイス人の男性に、
これ、両替できたりします?と聞くと、自分はできないが、
この向かいの店に行けば替えてもらえるよ、と教えてもらった。
すぐに道路を渡って、コルビュジェの載った10CHF札と、
1CHF硬貨を10枚に替えてもらえた!

トラムでHdMのメッセバーゼルまで。
他の方のブログ等で拝見した印象より、ずっとずっと大きく感じる。


そこから歩いてマリオボッタのティンゲリー美術館は外観だけ。


トラムで近くまで行き、北西の位置にある製薬会社の一帯まで。
辿り着くまですっかり忘れていたのだが、
ここは企業のプライベートな敷地で中には入れないのだった、、、
ゲート近くのSANAAのオフィスだけチラ見して、歩いて市内まで。
HdMのオフィス前や、HdMによる大学病院前のビルを見学、
夕食の買い出しをしてホステルへ。

待ち合わせ時刻より早く着いてしまっていたので、
寒空の下サラダを食べていたが、れなちゃんが少し早く来てくれたので、
割とすぐに中に入ることができた。
れなちゃんとワインを飲みながら、今日あったことなど色々話す。

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