つらつら日暮らし

マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・43

ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載43回目である。なお、英訳された『九十五箇条の提題』を、当方で日本語訳して掲載することとした。

18〔43〕 キリスト教徒は、貧しい人に与える人、困っている人に貸す人が、贖宥状を買うよりも良い事をしていると、教えられなければならない。
    訳は当方


読めば内容は、一目瞭然である。要するに、贖宥状に多額の金銭を使うよりも、それを貧しい人達、困っている人達に分け与える方が優れたことだと、ルターは示しているのである。確かに、本来のキリスト教は、隣人愛を謳い、それこそ「善きサマリア人の喩え」などに顕著なように、今現在困っている人に、直接手をさしのべること、それがキリスト教者の務めである。だが、「贖宥状」で救われるのは、己自身でしかない。それを気付かせる文章である。

【参考文献】
Works of Martin Luther:Adolph Spaeth, L.D. Reed, Henry Eyster Jacobs, et Al., Trans. & Eds.(Philadelphia: A. J. Holman Company, 1915), Vol.1, pp. 29-38
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年

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