闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

歌劇『ミニョン』のアリアに酔いしれる

2010-04-22 01:58:54 | 楽興の時
ポーランドとのメールのやりとりのあいだに、最近、近代のフランス音楽をよく聴いている。
それも、ビゼーとかドビュッシーとかならわりと当たり前の選曲なのだろうが、私は、トマ(1811-96)、フランク(1922-90)、サン=サーンス(1835-1921)といった、19世紀のなかばに活躍した、より平均的な作曲家の作品を集中的にかけている。これには、いちおう文学その他でフランス派を自認しているのに、フランス音楽をあまり聴いていないしよく知らないという反省も影響している。
さてこうして朝から晩までフランス音楽を聴いていたら、昨日は、アルバイトをしている最中にトマの歌劇『ミニョン』のなかのテノールのアリア(ロマンス)「Elle ne croyais pas dans sa candeur naïve(無邪気さのなかで、彼女は無垢の愛を信じていなかった)」の優雅なメロディーが頭のなかに響いてきた。
トマの『ミニョン』は、ゲーテの『ヴィルヘルム・マイステルの修業時代』を原作にした歌劇。ヴェルディの『ドンカルロ』、ヴァーグナーの『マイスタージンガー』といった大作が作曲されたのとほぼ同じ1866年に初演された叙情的な作品で、当事の人気作。なかではミニョンのアリア「君よ知るや南の国」が比較的有名だが、終幕のヴィルヘルムのアリア「無垢の愛を信じていなかった」も美しい名曲だとおもう。
この曲を頭のなかで繰り返していたら、昨日はなんとなくよい気分になった(アルバイトもひまだったし…)。

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