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ウルグアイで米作り?

2012-09-09 23:50:03 | お米

偶然見た番組でした。

NHK【ETV特集】地球の裏側で“コシヒカリ”が実る 9/9(日)夜10時、再放送:9/16(日)午前0時50分

福島出身の田牧さんという米生産者さん。

カリフォルニアに渡り、、カリフォルニアライスの名生産者として有名に。

現在は、帰国され、

今度は、ウルグアイで、米作りを開始。

 

ウルグアイって知ってますか?

南米の小国。

でも、FIFAサッカーワールドカップの第一回目開催国(1930年=昭和5年!)にして優勝国!

(1950年=昭和25年、ブラジル大会でも優勝)

閑話休題。

 

番組を見始めとときは、

「ああ、また 外国でもコシヒカリが作れる。日本の米作りは?TPPは?」

などという 浅はかなマスコミかな(NHKですら)とも想像していましたが、

いやいやどうして、

番組が進むにつれて見入ってしまいました。

 

詳しくは、再放送を見ていただくとして、

気になったことを羅列。

 

カリフォルニアライスは、中粒種(有名な品種はカルローズ)。

日本の短粒種より長く、さっぱりしている。日系人が開発。

 

コシヒカリは、岩のようなカリフォルニアの土にはとても無理。

マメ科の作物を植えたり、工夫をして土壌を柔らかくしてから

やっと栽培できた。

 

日本の生産者のきめの細かい作業はすごい。

(確か、田牧さんは、田牧ライスという名称で有名な方だと思うが、

以前、米自由化の時の取材でも、

「日本の米にはうまさでは絶対に勝てない」と言っていた。)

 

田牧さんのウルグアイの米を台湾の業者が買い付けに。

丁度、新米時期が半年ずれるので、

新米時期に集中して、全量、おにぎりで売るらしい。

 

田牧さんは、現在でも、

アメリカの精米工場のアドバイザー。

ご飯を試食することで、精米品質をチェックしている。

アメリカ人スタッフが、

「自分たちでは、お米の微妙な味がわからない」と。

 

田牧さんが手がけたアメリカの精米工場、精米機は、日本製。

山形にある山本の機械だった。

今度、ウルグアイに持っていくのも、

新潟で売りに出された、山本の設備一式。

日本の機械でないと、ダメだとのこと。

 

ウルグアイで作ったお米は、

中南米全体を市場として考えている。

自由貿易協定もあり、お互いの関税が低い。

日本食をアメリカ同様に、広めたい。

 

日本では、お米生産量も少なくなり、業界がじり貧。

お米の品種改良や開発などにかかわろうとする大学生たちの就職口が少なくなっている。

愛知の大学教授も、新しい品種の試作を

田牧さんのウルグアイ農場に委託するなど、

グローバルな取り組みを通じて、

米にかかわる技術と人材の育成を考えている。

 

在ウルグアイ日本国大使も、

将来の気候変動なども考慮して、

日本人や日系企業がかかわる日本米の生産が日本の食糧安保にも

なるのではという考え。

 

田牧さんが帰国後に気になることとして、

外食で使われているお米の品質をあげている。

醤油皿の中でご飯をほぐすと、粒の状態が一目瞭然。

非常に悪い。割れている粒が多くて。

こんなものが基準になってしまったら、

折角の日本のお米を支える土台が揺らいでしまう。

(割れているということは、米自体の品質が悪い、

精米が悪いということに加えて、後から、くず米を混ぜて

原価を下げているということ。でも、これはマーケットの要請。)